作り続けた夢

颯斗は仕事が続かない。学校も続かなかった。友人関係でさえ長く続かない。そんなんだから親族ともなんか後ろめたい感じがして遠ざけるようになった。家族だけが近くにいた。その家族でさえ離れられないから一緒にいるというのが肌感覚だ。そこから抜け出せる気もしなかった。ずっとこれが続くのだと颯斗は感じていた。だから、無理やり自分を救うために、現実から目をそらすために夢を作り続けていた。どこか遠くに行きたい。連れて行ってほしいそう思いながら夢を作り続けていた。他人から見たらばかげた夢だ。自分でもそう思う節はあった。だけど夢を作り続けてないと生きていけなかったのだ。そうやって夢を作り続けていくうちに長い年月を掛けて夢を作るのがうまくなっていた。現実に近づいて行ったのだ。現実に近づいていくうちに夢を実現させられると思えるようになってきた。そう思えてくると颯斗は手を動かし始めた。耐えられない現実から離れるために無理やりを夢を作り続けていた颯斗だったがようやく自分を救うことが出来るかもしれないワクワクと、自分が変わってしまう、夢が現実になるかもという一種の恐怖感に日々変な感情を感じ始めていた。

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