【第二章:科学探偵クラブ(9)】
空木カンナら四人は、その後でみんなで図書準備室に入り、羽加瀬信太が隠していた漫画本を
帰り道、四人は途中までは一緒に帰ったが、一番始めに空木カンナがみんなと別れた。
その後、五分ほど残った三人で歩いてから、羽加瀬信太が「じゃあ、僕はこっちだから。今日は本当にありがとう」と言ってから、田中洋一と沢木キョウに「バイバイ」と手を振って自分の家の方へと帰っていった。
羽加瀬信太の
「どうなることかと思ったけど、何とかなりそうでよかった。」
「まあ、羽加瀬君の
「うん、そうなんだよね。
「大丈夫だと思うよ。羽加瀬君が強く出れば、酒見君と一ノ瀬君はこれ以上は
「う、うん・・・」と少し
「大丈夫大丈夫、そんなに
「それに?」
「空木さんがいるだけで色んな問題ごとは
「うーん、実は僕もそんなに空木さんのことは知らないんだよね。彼女、五年生のときに引っ越してきて、クラスでは静かにしてたから。でも、
そのとき、田中洋一がふと何かを思い出した。
「あ、そうだ。僕、まだ一つ
「何?」
「羽加瀬君が持ってきた新しい鍵、番号は『0712』だったでしょ。で、真中さんの誕生日も七月十二日だったでしょ。すごい
「あれ、偶然じゃないと思うよ。」
「え?」
「羽加瀬君は真中さんの誕生日が七月十二日だったって知ってたんだよ。で、その番号の鍵は前から持ってたんじゃないかな。だから、その鍵を家から持ってきて
「なんで?」
「それは、何でそんなことしたのかって質問?それとも何で知ってるのって質問?」
「えっと・・・
「空木さんがここにいたら『証拠はないんだよね』って言われそうだけど、僕が思うに羽加瀬君は・・・。いや、それは僕の口からは言わない方がいいかな。」
「えー、そこまで言って
「そういう人の
そう言って沢木キョウは去っていった。後に残された田中洋一は、
(「第二章:科学探偵クラブ」おわり)
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