【第二章:科学探偵クラブ(4)】
放課後、真中しずえ・空木カンナ・相葉由紀は旧校舎の図書室にいた。彼女たちの
「というわけで、幽霊の謎を科学の力で解いてみよう!」と、真中しずえは他の四人に向けて、そう
「えっと・・・、なんで僕とキョウ君が呼ばれてるんだろうか」と、田中洋一が
「え、今の
「その話はわかったんだけど、幽霊の謎を解くって何なの?しかも科学の力をどう使うの?」
「それをみんなで考えるのよ。科学探偵クラブの一員でしょ。」
「僕はいつから科学探偵クラブの一員になったの・・・?」
「今日からよ!」
「・・・」と、
「さすがキョウ君。話がわかるね。」
「で、科学の力を使って何を明らかにしたいの?」
「いい質問だね。じゃあ逆に聞くけど、科学で一番大事なのって何だと思う?」
「いきなりのオープンクエスチョンか。何だろう。洋一君はわかる?」
沢木キョウにそう聞かれた田中洋一は「うーん、
「なかなか良い線いってるね。注意深い観察力大事だけど、もっと
「えー、じゃあなんだろう」と田中洋一が
「正解!」と、親指を上に
「なるほど、それは面白いアプローチだね」と沢木キョウが言った。
「でしょ!」と
相葉由紀は「うん」と言って、少し考えてから、図書室に入ってくるところから始めた。まず、図書室の奥の机の横まで進みランドセルを
「このあと、二十分くらい本を読んでいたんだけど、どうすればいい?」と相葉由紀は聞いたところで、空木カンナが「ねえ、昨日は雨がすごく降ってたじゃない。でも今日はとっても良い天気よ。これって同じ条件が
「あ、そうか。全く同じ条件にしないといけないのかな。でも、天気まで同じにするのって
「えっと、後ろの方かな?だから、図書準備室の方から聞こえてきたような気がする。」
「図書準備室の中からの音っぽい?」
「どうだろう。雨の音も
「そうかー。他に何か気になったことある?」
「あ、そういえば、近くで雷が落ちたようなすごい音がしたときに、
「あ、わかったかも!」と田中洋一が
「何がわかったの?」と真中しずえが聞くと、「幽霊の謎だよ」と得意気に言い、続けて「その幽霊は雷が
「え・・・僕、何かおかしなこと言った。」
「幽霊は足がないの。だから走らないの。」
「あ、たしかに。じゃあ雷の音に
「幽霊は
頭を
すると、空木カンナが、「私もそう思ったの。でも、図書準備室に行くには、この図書室にあるドアからしか入れないんだよね。それで、そのドアには南京錠がかかっている、と。私は去年この学校に転校してきたから良くわからないんだけど、このドアって本当に
「私も
「え、私も知らないかも。こっちの図書室には月に一回くらいしか来てないけど、これまでこのドアが開いていたことも、誰かがドアを開けたのも見たことないの。」
「いつも南京錠はかかってた?」と、空木カンナが違う質問をしたが、「あんまり詳しくは見てないかも。本を探したり読んだりすることに集中してたから。ごめんね」と相葉由紀は小さな声で答えただけだった。
「ううん、
***
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