第2話 武士、世界に降り立つ

「ん?ここは…」


意識を取り戻すとそこは辺り一面真っ白な空間だった。


『 こんにちは、chaos dimension onlineへようこそ、私はガイド兼GMの一人アテナです』


「ああ、よろしく頼む」


『 ええ、よろしくお願いします、ではまずはキャラクタークリエイトから始めましょう』


そう言われると自分そっくりのアバターが目の前にでてくる、それと同時にアバターをいじる画面がでてきた。


「なるほど、これで設定するのか…なあアテナ身長や体重っていくらでも伸ばせたり太らせたりできるのか?」


『 可能ですがオススメしません、あまりにも元の体型から変わりすぎると様々な動作が困難なものになります』


なるほど、じゃあ髪型を変えたり目の色を変えたりするのが無難な所か。


「えーと髪は長髪(鬼○の○の継○縁壱みたいな感じ)で目の色は水色で頼む」


『 了解致しました、キャラクタークリエイトはこれで大丈夫ですか?』


「ああ、これで大丈夫だ」


『 了解致しました、では次に名前、ジョブを設定してください』


そう言われるとまた画面がでてきた


「名前はトウマ、ジョブはって多いな、いや多すぎないかまあいいや最初っから決めてるしジョブは侍で頼む」


『 了解致しました、次に武器とスキルを設定してください』


『 スキルは今は5個しか選択できません』


「武器はもちろん刀で、スキルは…やっぱりこっちも数が多いな………ん?なあアテナ、このランダムってなんだ?」


『 それはスキルを名前の通りランダムに選択するものです、普通のスキルがでることもあればその中にはないレアなスキルも獲得できるかもしれません』


「なるほど、じゃあそれに刀術と死点打ちに自動回復(HP)とSTRアップ(小)を」


『 了解致しました、次に種族を選択してください』


種族選択?そんなのもあるのか、さすがにそこまで決めてないぞ


『 種族によってはアバターの設定が一部反映されないものもあります』


そういう事もあるのか、とりあえず色々探してみよう


探してみた結果どうやらこれは人外にもなれるらしい、恐らく一部反映されないものがあるとはこれらの事だろう、とりあえずメジャーなものをあげていく


ヒューマン

もっとも平均的な種族で特出したものはないが習得できるスキルの数はもっとも多い


エルフ

精霊などに近い存在であり魔法や弓の扱いに長けている種族である


ドワーフ

こちらもまた精霊などに近い存在であり槌や金属の扱いに長けており鍛冶が得意


獣人

獣人と一括りにされているがその実様々な種族がいるが全体的に接近戦に長けている


普通ならこれらの中から選ぶのだろうがでもな~魔物も良いのがあるんだよな………ん?これは…


亡霊(武士)

戦場の中で無念の内に死んだ武士の魂が鎧に宿り蘇った物。亡霊は怨嗟を胸に秘め、彷徨い続けるだろう、かつて敗れた戦場を探して。


中々良いな、俺に合っている…よし。


「種族は亡霊(武士)で頼む」


『 了解致しました、次にステータスを設定してください』


NAME トウマ

Lv 01/20


HP 200/200

MP 20/20

STR 15 (+3)

VIT 10

INT 4

DEX 13

AGI 8


SKILLS

刀術Lv1

死点打ちLv1

自動回復(HP)(小)

STRアップ(小)

ランダム


AP 30


「なるほど、結構高いな…アテナ、このAPはなんだ?」


『 それはAVATARPOINTでステータスの値を増やすことができます、通常は20なのですが貴方は魔物なので通常の1.5倍も貰えます』


「なるほどな…所でアテナ、気になったんだが普通のプレイヤーの初期ステータスはどんな物なのか見せてくれるか?」


『 了解致しました、これ通常のプレイヤーの初期ステータスです。』


NAME

Lv01


HP 100\100

MP 50\50

STR 5

VIT 5

INT 5

DEX 5

AGI 5


AP 20


「全体的に低いな…だがこれだと魔物に少々有利じゃないか?」


『 もちろん、魔物側にも相応のデメリットはありますよ。まず、魔物のメリットとしては貴方のように基礎ステータスやAPが増えたりします、PKをしてもレッドプレイヤーになりません、デメリットは、魔物のプレイヤーは魔物の判定なので街に入れませんしプレイヤーからキルされることもあります、ちなみにキルされた場合装備品以外すべてロストします』


「なるほどな、かなり厳しいがそれでもいいぜ、そっちの方が面白そうだ」


『 本当によろしいのですね?』


「ああ」


『わかりました、それでは転送を開始いたします』




『貴方の旅路に祝福があらんことを』













目が覚めるとそこは森だった、しばらく歩いてみたがあいつが勧めてきたのが納得の出来だ、森の木の匂い、土を踏みしめる感触、どれをとっても限りなくリアルだ。


そうこう言っている間に森を抜けた、その先にあった景色はまさに絶景だった。


「おお…良い景色だ」


……ここから始まるんだな、俺の物語が。


「グギャ、グギャァ!」


「モンスターか、さて、この世界での初めての戦闘だ、楽しませてくれよ」



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