7
夢を見る。
夢の中で僕は、あの日のプールサイドにいる。僕は、プールの中を見ながら、自分の男性器を擦って自慰をしている。
水の張られていないプールの中では、何組もの男女がまぐわっている。肉が、流れるように波打つ。絶えず水音が鳴り、身体はくねり、吐息と喘ぎ声が空間を満たしている。
一様に、みんな楽しそうな顔をしている。
相手も、自分と同じように、情けなくも快楽を感じている。それはどんなに安心することだろう。
肌と肌がふれあい、きっとプールの底の人たちの体温は、みな一定で、身体が冷えている僕には、それが羨ましかった。
射精し終え、静かに冴えた頭でふと気づく。
どうして自分だけ、プールサイドにいるのか。
僕は、みんなと一緒がいいのに。
湯気の立ち上る血の池に入ろうと、僕は立ち上がる。一歩、足を進める。
物音がした気がして、僕は、足をとめて、顔を向けた。
更衣室につながる扉が、しまるのが、遠くに見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます