新進気鋭(しんしんきえい)(1)

「加藤先輩、もう一回、俺の方を向きながら素振りしてみてください」

「おう、見ててくれよおー?」


 熱田は加藤の素振りを正面から確認していた。

 全員が胴も垂れも付けずに、道着と袴の姿で竹刀を振っている。今は加藤と熱田、野上と猫丸というペアに別れて、素振りからの基礎練を行っていた。


 今日は"基本徹底デー"。これは部長の野上が提案したことだった。




「なあ、ちょっといいか」


 部活が始まる前の部室にて、野上は皆の着替えを止めた。


「んー? はんはよ、ひひはひ(なんだよ、いきなり)」

 加藤は丁度、上の服を脱ぐところだった。


「―――」野上が加藤の脱衣を待っていると、加藤も野上の話し出しを待っているようで、中途半端な状態でぴたりと動きを止めていた。


「なに止まってんだ、早く脱げよ―――!」

「ギャアアァァ!」野上が無理矢理服を脱がすと、加藤が迫真の叫び声を上げた。


「なんなんすか―――」熱田は次第に彼らのノリに慣れつつあったが、未だにツッコミを入れられるまでには至っていなかった。


「ねね、今一瞬加藤先輩、ウルトラマンに出てくる怪獣みたいだったよね。ほら、あの首ないやつ」猫丸はそう言って加藤先輩を指さした。

「ああ、そうだったかもな。見たことねえけど」

「ないの!? 見た方がいいよ、僕あれが好き。あのチョキのやつ」

「好きな割には名前覚えてねえのなお前―――」


 猫丸と熱田までもが脱線しかけたとき、野上は脱がせ終わっていた加藤の服をロッカーに放り投げた。


「待て待て、俺の話を聞いてくれ」


「はい―――なんでしたっけ」苦笑いする猫丸の額に、熱田は優しくチョップした。

「まだなんも言ってねえよ」

「あいてっ」


 二人はそんなやり取りをしながら野上の前に並び、加藤も野上の後ろから道着を羽織りながら三人の元へと集まった。


「はあ、やっと話せる」

「なにさ、改まっちゃって」加藤が野上の顔を覗くと、野上は少し首を捻った。


「いやさ、昨日露峰と熱田の試合があっただろ? それを見て、俺改めてお前らの剣道が綺麗だなって思ってさ。

 熱田は勿論のことながら、露峰の剣道もめちゃめちゃまっすぐって感じで、カッコいいなと思ったんだよ」


 熱田は若干納得していなさそうだったが、それに気付いていなかった野上はそのまま話を続けた。


「熱田とか伏見はさ、俺らの剣道を見て基本ができてるって言ってくれたけど―――あれを見ると、やっぱり俺たちはもっと基礎を突き詰められる気がするんだよな」

「なに、お前露峰みたいになりたいの?」加藤は首をかしげていた。

「いや、そうじゃなくて。あの綺麗な剣道のことをいってるんだよ。ほら、色々とピシッとしてて―――なんか、良い感じだったろ」


 野上が言葉を濁すと、熱田が不服そうに言葉を足した。


「確かに、あいつは基礎がしっかりと固められてましたね。あの待ち剣は―――良いものではないとしても、あれは数年かけて築いた基盤の上に成り立ってるものだと思います」

「だろ? そういうことよ、俺が言いたいのは。

 だから俺は、今日の練習で改めて基礎を固めたいと思う―――!」

 

 野上の宣言に、他の面々は「おおー」と手を叩いていた。


「というわけで一年ツインズ、申し訳ないけど指導頼めるか」


 熱田と猫丸は目を見合わせた。


「勿論です。やりましょう、基礎練」

「あれ、そんな軽い感じ? 練習変えちゃうわけだし、もっと"しょうがないなあ"みたいな感じかと思ってたわ」さらっと答える熱田に、野上は面食らっていた。


「それはきっと、僕らにとってもいい練習だからですよ。その基礎練が」

「え、そうなん伏見ちゃん? 今更って感じじゃないの」


 猫丸は加藤にも分かりやすいように、身振り手振りを交えながら説明を始めた。


「そんなことありません。僕らにとっても、基礎は大事です。そりゃあ確かに僕らは何年もかけて基礎を固めてきてますが、それが崩れないとも言い切れません。

 特に、試合などの緊迫する状況や、かかり稽古などの激しい稽古などでは、僕らだって形を崩してしまいます。それはきっと、どんな強い人でも一緒だと思います」


 猫丸がそう言って熱田の方を見ると、熱田は小さく首を縦に振った。


「だから、どんな人でも時々、基礎の部分に立ち返る必要があるんです。なんかの拍子に形が崩れて、そのまま練習を継続しちゃうと―――なんというか、間違った方向に成長しちゃう危険性があるんですよ。努力の方向を間違えちゃうというか」

「なるほどねえ。じゃあこれは二人にとってもありがたい提案な訳ね」


 ニッと笑う加藤に対して、猫丸は「その通りです」と胸を張って答えた。

 

 猫丸は同時にホッとしていた。翔蛉高校に来てから、僕はあまり自分の剣道と向き合えていなかった。

 これは良い機会だ。ここでブランクを取り返そう。三人の力を借りて、劣ってしまった部分を矯正する。


 猫丸はぎゅっと拳を握りしめていた。




「加藤先輩、竹刀を振りきるとき、もう少し手を伸ばしてみましょう」

「え? 伸ばすってなに、どゆことよ」

「こんな―――感じです」


 熱田が目の前で竹刀を振ると、その竹刀は打突の瞬間にぐっと伸びていた。


「おわ、ほんとだ。どうなってんのそれ」

「これ、打つ瞬間に竹刀を握ってる両手を絞ってるんですよ。よく例えられるのが、雑巾絞りですね。なんかの動画で言ってませんでしたか?」

 熱田がそう言うと、加藤は「ああ!」と手を叩いた。


「聞いたことある、手首を伸ばすってやつの説明だろ?」

「そうです。一番簡単に手首を伸ばせる方法が、この絞るってやつなんです」


 熱田が絞るところだけを繰り返し実践していると、加藤も何度かその動作のまねっこをした。


「んで、これの何がいいの? ってかそうか、これは基礎なんだから良いとか悪いとかないのか」 加藤は頭を捻っていた。

「いえ、ちゃんと良い点はありますよ―――そうですね、やってみましょう。加藤先輩、一回今まで通り素振りしてみてください」


 熱田が加藤の正面に移り、そのまま竹刀が当たらない位置まで離れた。それを確認した加藤は、正面素振りをし終わった状態で腕を止めた。


「そこで止めといてくださいね」

「おうっ」


 熱田は加藤の竹刀の剣先に自分の竹刀が当たるように竹刀を構え、加藤に「もういいですよ、下ろしても」と言って加藤の竹刀を離した。


「次は、さっき言ったみたいな感じで、手首を絞りながら面を打ってみてください。この竹刀めがけて」


 加藤は半信半疑のまま、竹刀を絞ることを意識して熱田の竹刀に打ち込んだ。


「めん!」

「ありがとうございます、またそこで止めてください」


 竹刀と竹刀がぶつかった音が響くと、そこには先ほどと似たような光景が広がっていた。


「打ったけど、これがなんなの?」

「よく見てください、この剣先の所」


 加藤が目を凝らすと、そこには先ほどまでにはなかったわずかな余裕が生まれていた。


「お? さっき熱田ちゃんの竹刀に当たってたのって、確か俺の竹刀の剣先だったよな」

「はい。それが今は、少し手前で竹刀に当たっています。つまり、竹刀の当たる距離が少し伸びたんです」


 打突の瞬間、竹刀が少し伸びる。剣道の試合において、この現象がもたらすメリットは言わずもがなだった。


 竹刀がより遠くを捕らえられるということは、自分の攻撃範囲が広がるということ。それは、今まで勝負に出ることができなかった距離で飛び込める、ということと同義だった。

 それがたとえほんの小さな違いであろうと、その小さな違いが、剣道という一瞬一瞬を司る武道においては、大きすぎる差となる。


「おわあ―――しまった、雑巾絞りのやつをビデオで見たとき、もっとちゃんと説明聞いときゃよかった」

「こんなの、大体道場で習うことですから。それを覚えてたってだけで、凄いことですよ。それに―――実を言うと俺もこれ苦手なんすよね」

 熱田はばつが悪そうに目を逸らした。


「ええ? そんなことないだろ、こんなに上手く教えてくれたんだから」

「逆です。自分が苦手だから、他人のフォームでもそこが気になっちゃうんです」


 手首を回しながらそう話す熱田は、自分の手首がよりも固いことを改めて実感していた。


「多分、加藤先輩も俺と同じく手首が強いんですよ、地で。だからどうしても、手首に力を入れて打突のインパクトを作っちゃうんす。でもそれは、手首を固めちゃうことと同じなんですよね。だから俺らは手首が伸びない。

 その点、手首の柔らかい露峰とかは、無意識のうちにでも竹刀は伸びるんす。今度あいつが来たとき、是非見てみてください」


「ほーんなるほど―――ストレッチでもするかなあー先なげえなあー」

 加藤が伸びをしていると、熱田がピンと指を立てた。


「でも先輩、安心してください。普段の練習でも、この手首を意識できる練習があるんすよ」

「お、まじか。つっても、なんだ―――手首? 切り返しとか?」

「切り返しは手首を横に回す練習になりますね。今俺らに必要なのは"縦の柔らかさ"です」


 加藤は竹刀を縦に数回振ると、何かを思いついたように目を輝かせた。


上下素振じょうげすぶりや!」

「そうです、普段の素振りのメニューにある、あの振り下ろした竹刀の先が膝の高さより低くなるやつ。あれはTHE・手首を伸ばす練習っす」


 熱田はそう言って何度か実践していたが、その素振りの振り下ろした地点では確かに、熱田の手首は伸びきっていた。


「ほお―――」

「と、いうわけで、俺らは同じ課題があることが分かったので、一緒に頑張っていきましょ」

「おう! それ以外にもあったら教えてくれよ。遠慮せずにな―――ってお前はしないか」


 加藤の信頼を寄せた笑みを前に、熱田は顔は少し綻んでいた。


「じゃあ早速竹刀の持ち方っすね、それよくないです」

「おお注意が早いな! いいけど! ありがたいけど!!」




 一方の野上と猫丸は、ただ二人で淡々と素振りを繰り返していた。


 時々野上が質問して猫丸が答える、くらいのもので、熱田のように猫丸が野上に対してなにか助言する、ということは一度も見られなかったのだった。


 そうなると訪れる静寂は必然で、猫丸もどうすれば良いのか分からず何度もあわあわしていた。


「なあ、伏見」

「はい―――!」


 キリの良いところで野上からかけられた声に、猫丸は身を引き締めた。

 なんだろう、やっぱりなんか怒ってるのかな―――猫丸は野上の纏う雰囲気にたじろいでいた。


「お前、指導とかするの苦手だろ」

「えっ、ああ、すいません」

「なんで謝んだ。悪いことでもないのに」

 そう話す野上の表情は、子どもを見守る親のように柔らかかった。


「いや―――僕経験者だから、もっとちゃんとやらなきゃなのかなあと」

「いいんだよ、得意不得意があるだろ、そういうのは。それに、お前が人になんか言うのが苦手だってのは、初日から分かってたしな」

「え―――?」

 

 猫丸は初日の流れを頭の中で思い描いていた。

 ああ、そうだった。あの時も僕は、熱田君に意見を求められてから発言したんだった。


「でも、勿体ないとは思うかな。だってお前、せっかく目が良いのに」

「ありがとうございます―――」


 目が良い、翔蛉の皆はそう言ってくれる。そのおかげで、最近は自分でも目だけなら少し自信が持てるようになってきた気がする。

 でも―――どうにも自分に自信が持てない。熱田君みたいに、力強く発言することができない。

 そしてそんな自分が、またどうしようもなく惨めに見えてくる。


 ため息をつこうとしていると、野上がぽんと猫丸の胸を殴った。


「褒めてんのに、なんだその顔は。褒められたら、にかっと笑っときゃいいんだよ。

 あと、お前はうちの部員だからな。お前が自分に自信を持てなかろうが、俺たちはお前の武器を勝手に使わせてもらうぜ。

 そんでもって、いつか自分自身に自信が持てるようになったら、その武器は自分で勝手にフル活用しろ。それまでは、俺たちと一緒にその武器を磨け。


 そんなことを続けてたら、きっとすぐにでも自信なんてつくさ」


 野上の言葉は、春の日差しのように暖かく猫丸の胸に刺さった。

 かといってすぐに性格を変えられるわけではなかったが、それでも野上という男の姿は、彼らのために自分の目を使いたいと心から願えるシンボルのようなものだった。


「はい、頑張ります」

「ほい。ってな訳で、俺の構え見てくんない? 今からエアーで面打つから、それを見て感じることあったら、教えてくれ」


 そう言って野上は、小さく振りかぶって面を打った。その最中、野上はあることを思い出していた。

 

 試合中の伏見は、それはそれは饒舌だった。しかしそれは、どれもルールや一般的な話だけで、試合の中のなにかが良い悪い、みたいな話になると途端に口を閉ざしてしまっていた。

 これはきっと、伏見が自分の意見に自信が持てないからだろう。そんなやつに自分の悪いところを言え、だなんて、俺はちょっとばかし意地悪だったかな。


 でもな伏見、俺はなんとなく、そこがお前の転換点な気がするんだ。一歩踏み出して自分の答えを出すことで、お前は大きく羽ばたけるんじゃないかって。

 これはただの勘だけど、俺の勘は昔から当たるんだ。


 野上は一瞬猫丸を目で追って、すぐに自分の打ちに集中した。


「どうよ、なんかあったかな」


 猫丸は顎に手を当て、目を大きく開いていた。

 僕は今、求められている。自分の全てを用いて、野上先輩の役に立て。


「野上先輩、この場で竹刀を構えて、二回素振りしてみてください。勿論、前後に足を動かして」

「お、おう」


 猫丸の目の奥には、炎のようなものが灯っていた。少なくとも、野上にはそう見えた。


「どうだ?」

「―――うん、やっぱり。野上先輩、身体は動かさないで、そのまま自分の足を見てみてください」

「ん―――?」


 野上が少し袴をあげて自分の足を見ると、その足の配置は基本姿勢よりも少し前後に離れていた。


「多分これは癖だと思うんですが、野上先輩は少し足を前後に開いちゃう傾向があるんだと思います」

「はあ―――気付かなかった。それも当たり前か、普段から見れない位置だしな。そんで、これはやっぱりダメなんだよな―――?」


 猫丸は少し眉にしわを寄せた。下唇を噛みしめ、一点を見つめている。

 どう話すべきだ―――誤解を持たせちゃいけない。猫丸は説明を頭の中で組み立てていた。


 これは、ダメとか良いとかを言いたくないって面じゃないな。野上はどこかで悟っていた。今こいつが悩んでいるのは、考えているからだ。

 野上は少し心を躍らせながら、猫丸の回答を待っていた。


「ダメとは一概に言えないと思います。その悪くない例を、僕らは最近見ていますので」

「―――露峰か」野上は露峰の構えを脳内に投影した。

「はい。大事なのは、その構えがを持っているのか、持っていないのか、だと思います」


 俺は持ってない側、ってことだよな。野上は若干顎を引いた。


「これはあくまで想像ですが―――露峰君はああいう構えを取っているんだと思います」

「でも、基本姿勢からは離れているわけだよな。そこになにかメリットがあるってことか」


 野上が横やりを入れると、猫丸は満足そうに頷いた。


「その通りです。露峰が得意としているのは応じ技、つまり相手の出方を待ってから仕掛ける技です。こういうとき、足が開いているのは時に有利に働きます。

 なぜなら、足を開いていれば前に出している右足の可動域が広がるからです。その分、自分の応じ技の選択肢が広がる。これは、引き技の際にも同じことが言えます」


 猫丸はそう言って口角をあげながら「まあ、限度はありますけどね。開きすぎはどんな場面でもいい結果を生まないと思います」と付け加えた。


 野上は目を見張っていた。道場では、こんなことまで習えるのか―――その事実に驚きながらも、猫丸の知識と目の前の状況を結びつける能力の高さにも感心していた。


「なるほどな―――じゃあ、そのスタンスを俺が採用するってなると、俺は応じ技中心の立ち回りをしなくちゃならないんだな」

「うーん―――正直言うと、それはあまりおすすめできないかもです」


 初めての猫丸の率直な意見に、野上は高揚していた。


「それは、理由を聞いてもいいか?」

「はい。野上先輩が今言ったのは、自分の癖に戦い方を合わせる、って考え方だと思うんですが―――僕がそれをおすすめしないのは、野上先輩の場合は戦い方や得意なものがはっきりしている分、癖を直した方が有効だ、と思ったからです。

 それに、野上先輩が得意としている飛び込み打ちと足の開きは、相性が最悪なんです。単純に、飛べる距離もスピードも下がってしまうので」


 野上はふと自分の竹刀を握る手を見つめた。

 俺は今まで、自分の首を絞めていた要因にずっと、気付けずにいたのか。これが、見てくれる人がいない弊害―――野上は井の中の蛙が大海を知ったような気分に陥っていた。


 同時に、野上は目の前の存在のありがたさに、にたりと笑った。

 今はもう、見てくれる人がいる。野上は手の平に力を込めた。


「なので、野上先輩は純粋に教科書通りの基本姿勢を意識すればいいと思います。そうすれば、今までよりもっと遠くまで、もっと早く到達できると思います」

「そうだ―――そうだよな。ありがとう、伏見。全力で意識するわ」

「い、いえ。為になったならなによりです」


 そう両手を振る猫丸は既に、いつもの気弱な姿に戻っていた。


「でもさ、応じ技を狙う時に足を開くのは、戦術的にアリなんだよな? さっきの理論でいくとさ」


 野上の率直な疑問に答えたのは、抑揚のない声だった。


「急に変えるとバレることありますんで、気をつけた方がいいですよ。意外と、足見てるやつもいるんで。だよね、伏見君」


 二人がふり返ると、そこにはいるはずのない二人が立っていた。

 


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