春日遅々(しゅんじつちち) (4)
「俺たちで剣道部を創るんだよ。まずはそっからだ」
猫丸の目の前で、熱田はフン、と胸を張っている。
「ああ、はいはいなるほど、そういうことね―――にしてもなんで浪川先生を? あの人がどこの部活の顧問もしてないからとか?」
猫丸はそんな熱田を少し呆れた目で見上げながら尋ねる。
「いや、それがな。俺も初めは顧問なんて誰でも良かったから、うちの担任に相談してみたんだけどな」
熱田は組んでいた腕をほどき、何かを探るように片手をポッケに突っ込んだ。
「どうやらお前の担任の浪川先生、剣道の経験者らしいって話でよ。それを聞いてから俺も調べてみたんだけど―――ほれ」
熱田がポッケから出したケータイの画面を二人で覗き込むと、そこにはこんな記事が載っていた。
『岐阜が生んだ天才剣士、浪川 渚が今大会でも魅せる』
その記事の後半に書いてあった試合結果は、"全国高校学生剣道大会 準優勝"という華々しいものだった。
「これは―――やばいね」
「な、やべえだろ」二人は目を合わせた。
「誰でも良いとはいえ、こんな逸材がいるならそれに頼まない手はないだろ」
「そうだね―――」
そう言ってケータイをしまう熱田を横目に、猫丸は浪川先生が自己紹介で剣道について全く触れていなかったこと、そして今朝彼の口から出た"後悔"という言葉が頭に引っかかっていた。
「ってな訳で今日の終礼終わり、頼まれてくれるよな」
猫丸は熱田が言いたいことがなんとなく分かっていた。
まだ二日間しか見ていないが、なんとなく浪川はホームルームや終礼が終わるとすぐ教室を出て行ってしまう節がある。
今日の昼食の時だって、最初に皆が食べ始める所を確認したら、すぐに職員室に戻ってしまったのだった。
そんな淡泊な教師を異なるクラスの生徒が捕まえるのは至難の業であり、しかもそれがホームルームの長い担任に当たっているのだとしたら、尚更だった。
「―――要するに、同じクラスの僕が先生を呼び止めておけば良いってことだよね」
「その通り、なんなら概ねの事情を説明しといてくれてもいいぜ」
「うーん、分かった―――けどさ、部員の人数が足りてないと顧問を頼む以前の問題じゃない? 何人必要かは分からないけど、流石に二人で良いってことはないと思うし―――」
「それは任せろ」
熱田はもう片方のポッケからくしゃくしゃになった紙を取り出し、猫丸の目の前に差し出した。
猫丸がその紙を受け取り、丁寧に開きながら中を見ると、そこには創部届という文字が大きく書かれていた。
その下には"部長"や"副部長"、"部員"などを書く欄が並んでいる。
猫丸はその欄を見て目を細めた。
「あれ、部長とか副部長とかもそうだけど、もう五人も集まってるんだ。これなら大丈夫そうだね」
「ああ、まあ部長の欄に書いてある俺以外は、クラスの奴に適当に頼んで名前借りてるだけだけどな。ま、勧誘もこれからやるけどよ、既に部があるのと無いのとじゃ響き方が違うってもんだろ」
またもや胸を張っている熱田を見て、猫丸は更に眉をしかめた。
「あの、先生」
終礼後、猫丸は壇上に向かっていた。
「はい、私に何か」
浪川は相変わらず冷静さのある目をしていたが、猫丸を見た途端に少し瞼をピクつかせた。
「あの、実は先生にお願いがあって―――」
「はい」浪川は眼鏡を直した。
「剣道部の、顧問になって欲しいんです」
数秒。二人の間に沈黙が走った。
浪川は猫丸を淡々と見つめ、猫丸は浪川と必死で対峙していた。
「それは―――私が過去にある程度の経歴を残しているからでしょうか」
「―――はい。一組の熱田君から聞いたんです。その熱田君は一組の担任の先生から聞いたらしいんですけど」
「―――そうですか」
水面のようなポーカーフェイスを前に、猫丸は浪川の心の動きに気付けずにいた。
「私に顧問を頼む、ということは既に部員の人数が揃っている、ということなのでしょうか」
「あ、それは熱田君が集めてくれたらしくて―――」
「ほう、それは一年生のみで五人以上集めたのですか?」浪川は驚きの表情を浮かべていた。
「はい、全員一組の生徒だそうです。創部届はここにあります」
猫丸があの紙を見せると、浪川は何かを悟ったように微笑んで、紙を優しく猫丸に返した。
「状況は分かりました。それで、顧問の件ですけどね―――」
猫丸は息を吞んだ。それと同時に猫丸の背後にある扉が勢いよく開いた。
「少し、考えさせてください」
その言葉はまだ騒がしい教室内で発されたものだったにもかかわらず、二人の耳にはまるで静寂の中告げられたような鮮明さで届いていた。
猫丸はその場で硬直し、背後から近づいてくる足音はほんの一瞬で勢いを失った。
「このタイミングでここに来る、ということは貴方が熱田君ですね」
「はい、そうです。先生に顧問をしてほしくてに話をしにきました」
熱田はまるで今から返答を聞くかのように話を進めた。
「それが、丁度彼にその答えを伝えたところでしてね。繰り返しにはなりますが―――私の答えは"考えさせてください"というものです」
二人は一瞬目を見合わせ、その後はどこを見れば良いのか分からなくなっていた。
浪川はそんな二人を前に少し目を閉じ、再び二人を見て話し始めた。
「話はまだ終わっていませんよ。考えておく、と言ったのは"顧問として貴方たちと共に部活動に励む"という点です」
「はい―――だから、今は難しいってこと―――ですよね?」猫丸は首をかしげる。
「そうではなくて―――つまりですね、私は書類上顧問として名前をお貸しすることに関しては断っていないんですよ。なので、皆さんが始めようとしている剣道部の顧問は私、ということにしていただいて構いません」
それを聞いて猫丸はほっとしていたが、反対に熱田の表情は曇ったままのようにみえた。
「道場に教えに来ていただくのは難しいってことすか」
「そうですね。理由はいくつかあるのですが、難しいです」
何かを考え込む熱田に、浪川は丁寧に説明を加えた。
「初めにはっきりさせておきましょう。
まず一つ、私が直に道場で何かを指導したり、試合などのオーダーに関わること。二つ、皆さんの練習試合や試合、合宿などの予定を組むこと。以上の二つは私が協力できないことです。
逆に、名前をお貸ししたり、試合や練習試合などの同席、手続きなどはこちらに任せていただいて構いません。これくらいは名前をお貸しする時点でちゃんとしないと、監督不行き届きになってしまいますからね」
「なんで、できないんですか」熱田は淡々と尋ねる。
「んーそうですね。単純にこの学校に来てから何年か経っている、とはいえ私もまだまだ忙しかったりもするんです。なので手放しに顧問を引き受ける、という決断ができないというのも一つですね」
まだ内心納得のいっていなさそうな熱田を前に、浪川は終始説き伏せるように事実を淡々と述べた。
「先生って彼女か奥さんいるんですか」唐突に熱田が眉をひそめながら聞く。
「あ、確か昨日いないって言ってましたよね」そう猫丸が言った途端、熱田が期待の眼差しで浪川の方を凝視した。
「それとこれとは関係ないでしょう―――」
これには流石の浪川も頬を引きつらせていた。
「後ですね、わざわざ名前をお貸しするのにも理由があるんですよ」
二人はまたもや不思議そうに目を合わせた。
「それにしても良かったね、顧問の欄が埋まってさ」
二人は浪川に教えて貰った部室まで向かっていた。
周囲には入学したての二人にとって新鮮な景色が広がっている。
「いいのかねえ―――俺はあの人に色々教えて貰いたかったんだがな」
「そうだね―――でもその為にも、まずは先生のお願いを聞かなきゃだね」
熱田は「ああ」と返事はしたものの、未だに顔を歪めていた。
「理由ってなんなんですか?」猫丸が聞くと浪川は困ったような顔をした。
「それがですね、ここ一年、剣道部の部室と剣道場を勝手に使っている人達がいるんですよ。
というのも、この学校には元々剣道部があったそうで、部員が段々減っていって廃部になったのが五、六年前だったらしいんです。
つまり、今現在この学校に剣道部はありませんが、剣道場と部室はあるわけです。
それらを使って良いのは当然剣道部と授業で使う場合だけな訳ですが、もちろん彼らは剣道部ではありません。なので何度か指導が入ったそうなのですが―――結局最近も彼らの目撃情報は絶えないそうなんです。
ここまでくると生活指導の先生方が折れちゃって、結局彼らは黙認状態になっているんです。まあ、その黙認になっているのには彼らの言い分も分からないでもないから、というのもあるらしいですがね」
「なんじゃそりゃ―――」声を出したのは熱田だったが、猫丸も同じ気持ちだった。
「しかし、剣道部を発足するとなったらこれは無視できない問題です。なので二人にはそんな彼らを部員に引き込むか、それとも追い出すかして、この問題を解決して欲しいんです。
そうしていただければ、剣道経験者というだけで毎回この問題に巻き込まれる私の心労も少しは減るというものです」
そう話す浪川はそんな未来を頭に浮かべたのか、満面の笑みを浮かべていた。
「まったく、良い度胸してる先輩だよな。部活申請も出さずに使うだけ使って、怒られてもそれをやめないなんてよ」熱田は歩きながら空を見上げている。
「そうだねえ―――」そんな熱田を見て猫丸は苦笑いを浮かべていた。
「ったく、そんなヤンキーみたいな連中と部員同士になれるかっての」
浪川曰く、そういう人達が正確に何人いるのかは分からない、とのことだった。
それでも、毎回先生方に見つかっているのは必ず二人ずつだそうで、その他の目撃情報でも例外は無いという。
「ここ、だな。剣道場」
分厚い扉の上には"剣道部"とだけ書かれた札があり、その外観は意外にも木造、というよりは鉄筋感の強い建造物になっていた。
熱田が力を入れて扉を開くと、二人の鼻に木の匂いと防具の革のような匂いが突き抜けた。そこには埃っぽさはなく、二人の記憶は既に懐かしさに浸っていた。
二人がお辞儀をして剣道場に入ると、まず壁側に付いている木造のロッカーを占領している大量の防具が目に入った。きっとこれらは授業で使われるものだ。所々中の生地がみえている防具たちを見て二人はそう悟った。
猫丸が道場の壁に付けられた大きな鏡や、"一意専心"と習字で書かれた文字が入っている額縁などを見て回っていると、後ろから「なにしてんだ」と声をかけられた。
「部室。ここだろ」
その部室は剣道場と隣接しており、その扉の上には"男子更衣室"と書かれていた。その隣を見ると、埃の被った"女子更衣室"の文字があった。
「これはあれだな、更衣室が部室兼用って感じのパターンだな」
「ちゃんと部屋があるだけありがたいよ、うちの中学校は部室と呼べる部室無かったもん」
二人でそんな話をしながら熱田が扉を開けると、中からは明らかな物音が聞こえた。
身構える猫丸を余所に、熱田は堂々と扉の前に立っている。
二人の目線の先、無人のはずの部室の中には、急いで道着と袴を脱ごうとしていただろう二人の生徒の姿があった。
「―――? 教師じゃないな。なんだお前ら」
そのうちの一人が、熱田と猫丸を交互に見ながら尋ねた。身長は猫丸より少し高いくらいで、髪は綺麗にある程度の長さに切り揃えられている。道着と袴が似合いそうな好青年だった。
「おいおいおい、これはおい、俺らが待ちに待ったあれじゃねえの?」
もう一人が、初めに声を上げた青年の肩を勢いよく叩いた。さっきの彼よりは身長は一回り小さく、猫丸よりも小柄にみえた。
それでも活気はこちらの方がありそうで、声も話し方もハキハキとしている。
そんな彼に対してもう片方が「おいおい、そりゃまじか」と返すと、遂には二人で抱き合って盛り上がり始めた。
熱田と猫丸が訳も分からずその光景を眺めていると、身長の低い方が目を爛々にさせながら二人に詰め寄った。
「なあ、お前ら剣道部入ろうっていう新入部員か!?」
「まあ、はい。そうですけど」熱田が冷めた顔で淡々と答えた。
「よく来た、ほんとによく来たぞお前ら! ほら、中入れ、綺麗にはしてあるから」
背の小さい方の青年に案内されて、二人は地面に並べられたすのこに腰掛けた。すのこの下はコンクリートのようになっていた。
部室内は彼のいうとおり割と整頓されており、先ほどの剣道場と同じく埃っぽさもどこにも感じられなかった。
竹刀を入れる場所は竹刀用にきちんと作られていたり、ロッカーの中も防具と多少のメンテナンス用具のみ、といった具合で、経験者からしても見てて気持ちの良いものばかりだった。
「じゃ、まずは自己紹介からだな」小柄な方が全員座ったことを確認すると、コホン、と一つ咳を挟んで話し始めた。
「俺は二年の
そう言うと自分で拍手を促し、ある程度拍手が集まって収まると「はい、次お前」ともう一人の方を指さした。
「はいはい、俺はこいつと同じ二年の
「あー、えっと―――俺は熱田
「よっ! 熱田君よろしくぅ!!」
「よろしくさん!」
まだ状況を飲み込めていない様子で、熱田は自己紹介を済ました。加藤はそんな熱田を置いてけぼりにして、無理矢理場を盛り上げている。
そんな熱田の視線を浴び、猫丸も渋々口を開いた。
「あ、はい。伏見 猫丸です。一年の新入部員です。あーえっと、三年間? いや先輩達と一緒にやるなら二年間か、とにかくよろしくお願いします」
「はいよお! 伏見君もいらっしゃい!!」
「ようこそー」
猫丸の緊張や自己紹介への苦手意識も、全て無かったかのように先輩二人は拍手で向かい入れた。
これだけでも猫丸は少し彼らに心を開いてしまっていた。
「へー、お前伏見っていうのか。初めて知った」
ぼそっと言い放つ熱田を見て先輩二人は「どういうことやねん」「お前ら友達じゃなかったんかい」と心配を顔に浮かべながら突っ込んでいた。
「あの、先輩方。ちょっと俺から話があるんすけど、いいすか」
ほっこりしている猫丸を置いて、熱田が二人に詰め寄った。二人は「なんだどうした」と笑顔で話を聞く姿勢をとっている。
「それが―――これは先生からの話なんですが―――」
熱田は先生に頼まれたこと、それと創部の件を二人に話した。
「ほほう、なるほどな。状況はわかったぜ。それにしても―――」野上が加藤の方を向いた。
「ああ、その手があったなんて、去年の俺らは全く思いつかなかったな」
「なんのことすか」熱田は困惑していた。
「いや、適当に人数集めて部を創っちゃうって話よ。俺たち真面目に人数集めようとして全部のクラスに顔出して勧誘してたのにさ」
「あー、あのホームルームの時間を貸して貰って、壇上で『け、剣道部やりませんかー一緒にー』って言ってたやつな。そんなに頑張ったのに一人も集まらなくって、俺ら心折れちゃったんだよな」
ケラケラ笑っている加藤らの話を聞いて熱田は大体の事情を把握していた。
「それで部活が作れなかったから勝手に剣道場とかを使ってたと」
「なんだよー、人聞き悪いなあ」熱田に加藤がすり寄った。
「ま、そう言われてもしょうがないさ。実際何度も先生に見つかって指導されてるしな」
そう言うと野上はあぐらを直し、猫丸と熱田の方を改めて向き直った。
「でもね、俺たちはただ―――剣道がしてみたかっただけなんだ」
その言葉に嘘は一切見られないと断言できるほど、野上の表情は真剣そのものだった。
隣の加藤もそっぽを向いているとはいえ、野上と想いは一つのようだ。
「俺たちさ、典型的なきっかけで剣道に興味を持ち始めた人間だったんだよ。
俺は中学の時にやった授業で面白いなーって思ったからだし、こいつは剣豪が出てくる映画から剣道に興味をもったタイプでさ―――こう聞くとしょうもない動機だなあって思うかもだけど、俺たち割と真面目に楽しんで剣道してたんだぜ。
教えてくれる人もいなかったから、細かい防具の付け方とか用具のメンテナンスとかは自分たちで調べたり、専門店に顔出したりしてみたりしてさ。
練習方法とかも動画で強豪校のやつを参考にしたりして、その都度ぜんっぜん上手くいかないから練習の難度を下げたりとか、とにかく素振りとかの毎日やる系は欠かさずメニュー決めてやって―――みたいな感じでさ、とにかく俺たちなりに本気でやってたんだ。
そりゃあ、部員でもない奴が勝手に使っちゃダメだろ、って言われた時に逃げ出したり反抗したりはしてたけどさ―――だっていいじゃんかよ、放課後なんて誰も使ってないんだぜ? しかも俺たちは好き勝手荒らしてる訳でもない。
だから俺たちも意地張っちゃって、ここ一年ずっといたちごっこみたいになってたのよ」
「ま、一人だけ分かってくれた先生もいたけどなー。その人以外は全員俺らを突っぱねるんだもんよお」
加藤は脚をぷらぷらさせて天井を見上げていた。
「それって、どんな人でした? 眼鏡とか、かけてませんでしたか」
猫丸はもしや、と思って加藤に聞いた。
「あーそうだそうだ、イケメン眼鏡だったよな、なあ野上」
「ああ、その人は俺たちの話を聞いてくれて、部室とかを汚さないなら自分は見逃すって言ってくれたんだよ」
確定だ、猫丸と熱田は顔を見合わせた。
「なるほどな、こりゃまんまとしてやられたな」熱田は猫丸に向けて半笑いを浮かべている。
「そうだね、でもさ」猫丸は先輩二人に微笑んで言った。
「これで、また部員が二人増えた。しかも数合わせじゃない、ちゃんと剣道部の先輩が二人増えたんだよ」
猫丸は加藤と野上にあの皺だらけの紙を差し出した。
「加藤先輩、野上先輩。僕らと剣道部、やってくれますよね」
「ああ、こちらこそよろしく」
「もろちんよ!」
そう笑顔で答える二人のせいか、窓から入り込む優しい夕陽のおかげか、部室内は暖かい空気で包まれていた。
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