第6話
響「こんにちは、今日1日お世話になります」
椿「こんにちは。えぇと、名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
すると凪が飛び出してきてきた。
凪「ウチ…あ、私は鞍馬です。そしてここにいるのは」
椿「鞍馬さんですか。ということはそこにいる方々が他に部屋をとって欲しいと仰ってた方々ですね。部屋はどこかお分かりですか?」
凪「はい。というか既に荷物置かせてもらってます」
椿「なら安心です。お夕飯は7時頃に出せると思いますので、お風呂にでも入ってゆっくりお休みください。」
そんなこんなで私たちは風呂に入ることにした。露天風呂が外にあったためそっちも入ったがとても気持ちよかった。いいリフレッシュになったと思う。
そして私たちは夕食の30分前に食事会場に向かった。そこには狐の髪飾りをつけた女性がいた。「こんばんは。」「あら、こんばんは。」と互いに挨拶を交わし、互いの自己紹介も兼ねて話をした。
この女性は玉藻 舞(たまも まい)という方らしい。名前と後ろからひょっこり見える狐の耳がどことなく玉藻前という妖怪を思わせる。
なんでも京都で食堂を営んでいるらしい。しかしその話をする時の彼女の表情はとても虚ろであり、「ただ、本当は…いえ、なんでもないわ」と何か秘密を抱えていそうな感じがする。あまり踏み込むべきでないと思い何も聞かなかったが正直気になる。一体どんなことがあったのだろうか?
そこにいた一織ちゃんが「その狐の髪飾りとてもオシャレですね!」と褒めたときは紛れもなく、心の底からの笑顔を見れたが、それでも何も無いとは信じがたい。
7時になったぐらいにはスーツコンビも来た。せっかくなので2人にも挨拶をしたが、「こんばんは。皆さんは何の集まりですか?」としっかり返してくれたベテラン風な男性に対し、もう片方は一言も返さない。どことなくイライラしてるし、私はなんとなく嫌いなタイプだと直感的に感じた。
スーツを着た男性のうち、ベテラン風な男性は付喪 洋平(つくも ようへい)というらしい。もう片方の印象が悪い人は河童 作(かわらべ さく)というらしい。彼らは隅田川出版という会社の社員で、現在は出張で京都へ来たそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます