第49話

ステータスの確認を終えたヨウイチは、一旦休憩をするためリビングに来ていた。

メイドさんにお茶とお菓子を出してもらいゆっくりしていると、買い物から帰ってきたメンバーたちがやってきた。

「ただいまー!」

「おかえり、みんな」

(さてと・・・どう説明したものか・・・)

ヨウイチが悩んでいると、サヤカが話しかけてきた。

「ヨウイチくん、お疲れ様!」

「ありがとう。みんなも買い物お疲れ様。」

(とりあえず今はステータスのことは一旦置いておくか・・・)

ヨウイチはお茶を一口飲むと、メンバーたちに話しかけた。

「みんなに伝えたい事があるんだけど、いいかな?」

「ん?なにー?」

「どうしたの?」

「ステータスを確認していたら、職業欄に転職可能と書かれていたんだ。それで鑑定で調べた結果、教会で転職ができるらしくて上位クラスに転職してきたよ。」

ヨウイチがそう言うと、みんな驚いた表情になった。

「え?転職できたの!?」

「すごいじゃん!」

「おめでとうございます!」

「ありがとう。」

ヨウイチは苦笑いを浮かべながらお礼を言った。

「それで転職の条件なんだけど、どうやら50レベルに達すると上位クラスに転職できるらしい。」

「なるほど・・・つまり、私たちはあと8レベル上げればいいってことね!」

「そういうことになるな。」

(上位クラスに転職できる条件は分かったけど、どうやってレベルを上げるかだな・・・)

「そろそろダンジョン先行権がなくなるから第5層の攻略は厳しいしな・・・」

悩んでいるとサヤカが提案してきた。

「なら、私たちだけで第3層に行ってレベル上げしてくるね!ヨウイチくんは王城で講師をしないといけないって聞いてから、5人でその間どうするか考えていたんだ。」

「そうなのか?ありがとう、助かるよ。」

「気にしないで!私たちもレベル上げしたいしね!」

(よし、これで5人には第3層でレベル上げしてもらうとして・・・俺はどうしようかな・・・)

ヨウイチが悩んでいると、サヤカが話しかけてきた。

「ギルドマスターに相談したら?講師をする前に打ち合わせするのでしょう?」

「そうだな。そうするよ。」

(とりあえずは、ギルドマスターに相談してからだな・・・)

「あぁ、それと俺が転職した時にスキルも変わってね、概要を説明しておくよ。1番はアイテムボックスが他人と共有可能になったんだ。ただし、俺と契約をしないといけないみたいだけどね。で、アイテムボックスは個別で時間設定ができるみたいだ。次に鑑定だけど、視力がよくなり、1km先まで詳細に見通すことができるみたいだ。」

ヨウイチがそう言うと、みんな驚いていた。

「え?それってすごいじゃん!」

「チートね・・・」

「さすがヨウイチ様です。」

「アイテムボックスの契約というのが、どのようなものかはわからないけどね・・・」

とりあえず、みんなにはアイテムボックスの共有空間を作れることと、詳細表示ができるようになったことを伝えた。

「アイテムボックスは便利だからねぇ。」

すると、メイドさんが聞いてきた。

「ヨウイチ様。そのアイテムボックスの契約は、私たちでも可能でしょうか?」

「可能だと思うよ。特に制限はないはず。」

「では、私たち2人にお願いします!」

「メイドという職業柄、アイテムボックスは有用なので。」

「どんな契約かわからないけど、いいの?」

「はい!ヨウイチ様はどんな契約だろうと変なことしないでしょう?」

「それはそうだけど・・・」

メイドさん2人に笑われてしまった・・・

「私たちなら大丈夫です。それに私たちが試すことで、他のお嬢様方にも渡せるか判断できるようになりますから。」

「わかった。じゃあ、契約しますか。」

「「お願いします。」」

メイドさん2人と契約の際、紋章のようなものが浮かび上がり、2人の手の甲に当たり消えた。

これで契約を交わしたことになるようだ。

「では、共有空間を作ってもらえますか?」

「了解」

(とりあえずは、アイテムボックスの亜空間内に作ってみるか・・・)

ヨウイチはアイテムボックスの亜空間に共有空間をイメージして作り始めた。

(こんな感じでいいかな?)

共有空間を作り終えたヨウイチはメイドさんたちに確認してもらった。

「こんな感じでいいかな?」

「はい!ありがとうございます。」

「これで、アイテムボックスが使えるようになりました。」

メイドさんたちは嬉しそうにしていた。

(喜んでもらえてよかった・・・)

2人に渡した共有空間の使い方を説明した後、特に害はなさそうだったので、他の5人とも契約を交わした。

ナツミはアイテムボックスを持っているが、緊急時のやりとり等、伝えたいことがある時に便利なので念のため作成した。

皆とアイテムの共有設定が終わった後、他の5人はレベルアップのためダンジョンへ、俺は講師の件で話を聞くためにギルドへと向かった。


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