第43話
商業ギルドで小船を購入した翌日、ヨウイチたちはダンジョンの第4層の攻略の為、最終調整をしていた。
「とりあえず、船上での練習は昨日まで十分にしたから、攻略用の船を手に入れた今日は第4層を攻略するぞ。」
「そうね。」
サヤカがそう答えた後、リナとマヤも頷いた。
「よし、じゃあ行くか!まずはここから見えるあの島っぽい所に向かおう!」
ヨウイチ達は小船に乗りこみ、ダンジョンの奥へと進んでいった。
「まだサハギンしか出会ってないが、他のモンスターもいるかもしれないので、注意していこう!」
「「了解!」」
ヨウイチたちは、更に奥へと進んでいく。
すると、前方からサハギンが3体現れた。
(よし!練習通りにやるぞ!)
ヨウイチは船から身を乗り出して槍を突き出した。
しかし、槍はサハギンに命中せず空を切った。
(くっ・・・さすがにこの距離だと当たらないか・・・)
そう思った瞬間、マヤが魔法を放つ。
「・・・ウインドランス!」
放たれた風の矢は、サハギンの頭部に命中し、倒れた。
(よし!ナイスだマヤ!)
ヨウイチは槍を突き出すと・・・今度は命中し、倒した。
(よしっ!練習通りだな!)
3体のサハギンを倒したヨウイチ達は、更に奥へと進んでいった。
第4層では小船での戦闘の練習も十分にしてきた為、特に問題なく進んだが・・・
《ドンッ》
島の到着手前でいきなり大きな衝撃を受けた。
「な、なんだ!?」
ヨウイチは急いで船の前方を確認すると・・・そこにはサハギンより大きなモンスターが泳いでいた。
「サハギンより大きいぞ!気をつけよう!」(鑑定!)
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【名前】なし
【種族】ハイサハギン【年齢】5歳
【レベル】45/100
【職業】 なし
【状態】良好
身体能力
【HP】450/450
【MP】900/900
【攻撃】250
【防御】250
【魔攻】625+125
【魔防】400
【敏捷】500
スキル
【爪術】【水操】【水魔法】【知力】【水泳】
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「サハギンが進化した個体だ!早い上に泳ぎも上手いぞ!」
「了解!」
ヨウイチ達はハイサハギンに船を近づけないように、船上での戦闘を開始した。
しかし、ハイサハギンは器用に小船を避けながら攻撃してくる為、中々ダメージを与える事ができない。
(くっ・・・やっぱりそう簡単にはいかないか・・・)
その後も何度も攻撃を仕掛けるが、ハイサハギンには命中しない。
すると、リナが魔法を放った。
「・・・ウインドウォール!×6」
マヤは風の壁をVの形になるように出現させ、ハイサハギンの行く手を狭める。
「よし!ヨウイチ君!」
「わかった!」
ヨウイチは槍を突き出すと・・・命中し泳ぎが止まった。
(よしっ!)
ヨウイチの攻撃で止まったハイサハギンにサヤカの威嚇とリナの弓が追撃する。
「・・・威嚇!」
「シャープシュート!」
サヤカの威嚇により一瞬怯んだハイサハギンに、リナの矢が命中した。
最後にヨウイチは槍を突き出すと・・・命中し倒した。
(ふぅ・・・なんとか倒せたな・・・)
ハイサハギンを倒したヨウイチたちは、無事に島へと辿り着いた。
「みんな、ここで休憩するから、周囲の警戒を頼む!」
「「了解!」」
ヨウイチは船から降りると、アイテムボックスからテーブルとイスを取り出し、休憩できるスペースを作った。
(よし!これでゆっくり休憩ができるな・・・)
ヨウイチが小舟をアイテムボックスに収納する。
「さて、少し休んだらこの島を探索しよう!」
ヨウイチがそう宣言すると、皆も頷いた。
休憩を終えたヨウイチたちは島の探索をした。
島の周囲は浅瀬になっており、歩いて島を探索する事ができた。
「どうやらこの島にモンスターはいないみたいだな・・・」
「そうね・・・でも、何かありそうな雰囲気はあるわね。」
(確かにな・・・)
ヨウイチは周囲を見渡しながらそう思った。
「ナツミ、何か感じないか?」
「ちょっとまってな〜。お、島の中心の方からお金の匂いがするよ!」
「よし!じゃあ、島の中心に向かうぞ!」
ヨウイチたちは島の中心に向かって歩き出した。
(それにしても・・・ナツミはすごいな・・・)
ヨウイチが感心していると、サヤカが話しかけてきた。
「ねぇ、ヨウイチ君。」
「ん?どうした?」
「お金の匂いがするって言ってたけど、本当にそんな匂いするの?」
「あぁ、俺も最初は信じられなかったけど、ナツミはお金の匂いがするって言ってるんだ。」
「へぇ〜・・・そうなんだ・・・」
(まぁ、普通は信じないよな・・・)
島の中心は小高い丘となっており、島全体の様子を見ることができた。
また、湖を渡ってきた逆の方向には、別の島も発見した。
「へぇ、ここは見晴らしが良いな。」
「そうね。でも、ここからどうやって第5層にいくのかしら?」
「確かにそうだな・・・まぁ、次の島に行ってみるしかないよな。」
「ヨウイチくん、ここに何かありそうだよ。」
ナツミが何かを発見したっぽい。
「ナツミ、何か見つけたのか?」
「うん!なんか、島の中心に石碑みたいなのがあるよ!」
(石碑?)
ヨウイチはナツミの案内で島の中心部に向かうと、そこには確かに石碑があった。
その石碑には文字が刻まれていたが・・・この世界の文字ではない為読むことができない。
(これは・・・鑑定!)
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【名前】道標の石碑
【レア度】S【状態】劣化
【説明】魔力を込めると次の島への道標となる石碑
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ヨウイチは石碑に魔力を込めてみると、石碑が輝き出した。
「ヨウイチ君、何が起こるの?」
「わからないけど・・・とりあえず次の島へのヒントにはなると思うぞ。」
(さて、次はどんな島なんだろうな・・・)
ヨウイチは期待に胸を膨らませながら石碑を見つめていた。
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