第31話

サヤカとお買い物デートをした休日を過ごし、今日、俺たちはアガルタ王都ダンジョン第3層の攻略をするために準備を進めていた。

「よし、準備は整ったな。」

荷物の最終確認をしていた。

(回復薬や解毒薬も持ったし、食料やテントも持った・・・あとは・・・)

アイテムボックスを確認していると、サヤカが話しかけてきた。

「ヨウイチくん!忘れ物はない?」

「ああ、大丈夫だ!」

「そっか。じゃあ、ダンジョンに向かおうか!」

「そうだな。」

俺たちはアガルタ王都ダンジョンに向かった。

街道には珍しくゴブリンがおり一時足止めをされたが、その後は問題なくダンジョンまで進むことができた。

「よし、じゃあ早速攻略を開始しよう!」

ダンジョンに足を踏み入れ、転移ポータルを使って第3層の手前までたどり着いた。

「ここからが第3層だ。」

「うん!頑張ろうね!」

俺たちは第3層に入った。

第3層のモンスターは広大な草原となっており、視線の先にはオークがいた。

(ふむ・・・オークか・・・まずはみんなが戦えるかどうか見ないとな・・・)

『オークか・・・みんな、聞いてくれ。俺はオークと戦ったことがあるが、みんなはないだろう?幸いにも1匹しかいないので、まずは連携して倒してくれ!』

『わかった。危なくなったらすぐに加勢してね!』

5人はオークに向かって走り出した。

(さて・・・どんな戦いを見せてくれるのか・・・)

オークは5人に気づき咆哮をあげた。

(ふむ、普通のオークよりも少しだけ大きいな・・・鑑定!)


----------------------------------

【名前】なし

【種族】オーク【年齢】5歳

【レベル】30/100

【職業】 なし

【状態】良好

身体能力

【HP】730/730

【MP】310/310

【攻撃】730+146

【防御】555

【魔攻】32

【魔防】63

【敏捷】165

スキル

【棒術】【怪力】【繁殖】

----------------------------------


(30レベルか・・・俺が今までに戦ったオークより少しだけ強いかな・・・)

『オークのレベル30!HPと力が強いから、攻撃が当たらないように!!魔防が低いから魔法はよく効くよ!』

『『『了解!』』』

『フィジカルアップ!×4、マジックアップ!』

『『ありがとう!』』

ユイはみんなに魔法をかけた。

『みんな!いくよ!』

5人はオークに向かって走り出した。

オークも、棍棒を振り回しながら突進してきた。

(ふむ・・・力任せの単調な攻撃だな・・・)

5人はオークの攻撃を避けながら連携して攻撃を仕掛けていた。

だが、オークの厚い肉に阻まれて攻撃が通っていない。

『ファイアーボール!』

マヤがオークに魔法を放った。

オークはファイアーボールを棍棒で弾き飛ばした。

ただし、棍棒は火が燃え移ってしまい、オークは手放したようだ。

(ふむ・・・あの程度なら弾くのか・・・)

『みんな!一旦、距離をとろう!』

マヤがみんなに指示を出した。

5人は距離をとり、再び攻撃を仕掛けようとしていた。

『ファイアーランス!』

マヤは距離をとり、オークに向かって槍状の魔法を放った。

ファイアーランスがオークを突き刺し、ダメージを受けたようだ。

怯んだオークを見て、5人は再び攻撃を仕掛けた。

オークも5人に対して攻撃をしているが、なかなか当たらないようだ。

(なかなか連携が取れているな・・・)

5人はオークにダメージを与えつつ、徐々に追い詰めていた。

『ファイアーボール!』

マヤが再び魔法を放つと直撃したオークは倒れてしまった。

(ふむ・・・これで終わりか・・・)

『みんな!トドメを刺そう!』

5人はオークに駆け寄り、一斉に攻撃を仕掛けた。

「グオォォォォ!!」

オークは断末魔の叫びをあげて、光の粒子となって消えていった。

(5人で連携して倒すことができたな・・・)

5人は喜びあっていた。

「やったー!!」

「私たちでも倒せたね!」

「うん!よかったよ!」

「みんな、お疲れ様!連携も上手く取れていたし、オークを倒せたね!」

5人は喜びながら会話をしていた。

「みんな、お疲れ様!ドロップアイテムは、魔石と・・・肉?」

「えっ!?肉なの!?」

「やったー!お肉だ!」

5人は喜びながら、オークが落としたアイテムを拾った。

(ふむ・・・オークのドロップアイテムは肉なのか・・・)

5人がオークと戦えるとわかったため、第2層と同じくダンジョンの壁沿いから順番に進んでいった。

俺も戦闘に加わり、第3層の壁沿いをオークを倒しながら順調に進んでいると、先の方に木が見えた。

「ん?草原エリアに木というか、森かな?」

「ほんとだ。何かあるのかな?」

「もう少し進んで近くなったら慎重に行こう。」

「「「「「了解。」」」」」

しばらく進むと、森のような場所に着いた。

「さて、慎重に進んでいこうか。」

5人は頷き合い、森の中に入っていった。

(ふむ・・・この森は草原エリアのオークよりも強いモンスターがいるみたいだな・・・)

5人が進んでいくと、今までのオークより大きなオークが1匹いた。

木の陰に隠れ、鑑定をおこなった。


----------------------------------

【名前】なし

【種族】ハイオーク【年齢】5歳

【レベル】35/100

【職業】 なし

【状態】良好

身体能力

【HP】930/930

【MP】370/370

【攻撃】890+178

【防御】680+136

【魔攻】42

【魔防】83

【敏捷】210

スキル

【棒術】【怪力】【頑丈】【繁殖】

----------------------------------


『みんな、あれはハイオークといって、オークの上位版だ。今までのやつより5レベル高く、攻撃も防御も高くなってる。』

『どうやって倒す?』

『オークと同じで前衛で撹乱し、魔法で倒すぞ!』

『了解!』

『よし、準備はいいか?・・・3,2,1,GO!』

『フィジカルアップ!×4、マジックアップ!』

ハイオークもこちらに気づき、咆哮をあげながら突進してきた。

前衛の3人はハイオークに向かって走り出した。

(さて・・・どうなるかな?)

『ファイアーボール!』

ユイは魔法をハイオークに放ったが、躱されてしまった。

サヤカがハイオークの躱した先に回り込み、顔面目掛けて盾で攻撃した。

『シールドバッシュ!!』

ハイオークも流石にこの攻撃ではのけ反ってしまい、隙ができた。

『ファイアーランス!』

マヤがすかさず魔法を放ち、ハイオークは躱すことができず、顔に直撃した。

『グオォォ!!』

ハイオークは雄叫びをあげて、地面に転がりのたうち回った。

『マヤ!今のうちに魔法でとどめを!』

『わかった!・・・ファイアーランス!』

ハイオークはマヤの魔法を避けようとしたが、動けずに直撃した。

そして、光の粒子となって消えていった。

5人はハイオークが落としたアイテムを拾った。

(さて、ドロップアイテムは何かな?)

「みんな!ドロップアイテムは何だった?」

「えっとね・・・肉と魔石だよ!」

「普通のオークと一緒・・・?」

「ん~でも、普通のオークより、いい肉質かも・・・霜降り・・・じゅる・・・」

「それは・・・いい肉だね!」

「うん!今日の夕飯はお肉にしようよ!」

「いいね!でも、まずはダンジョンを攻略だよ!」

(ふむ・・・ドロップアイテムもオークと同じなのか・・・まぁ、豚肉で霜降りだから美味しいよな・・・)

5人はハイオークを倒したことで自信がついたのか、ダンジョンの森の奥へと進んでいった。


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