第27話
何故か面倒なことに巻き込まれ、決闘することになったが・・・
(こいつらのレベル低いな・・・まだ本格的に実戦はさせてもらってないのか・・・?)
「おい!無能の佐藤!初手はお前に譲ってやる!」
「そうだな、俺らが勝つからな!」
(こいつら・・・マジでウザいな・・・)
3馬鹿を無視してギルドマスターに話しかけた。
「あの~すみません。決闘に審判をお願いしたいのですが・・・」
「ヨウイチ、わかっていると思うが、絶対に勝てよ。」
「ええ、大丈夫です。鑑定しましたが、問題ないです。ただ、レベル低いのにステータスは高めなんですよね・・・」
(まぁ、レベルのおかげでこいつらのステータスなら楽勝だけど・・・)
「そうか・・・まぁ、あいつらがレベル低いのにステータスが高いのは、召喚された時によい職業になったからだと思うぞ。」
「あぁ~なるほど・・・」
(やっぱりか・・・)
「まぁ、お前なら問題ないと思うが、油断するなよ。」
「はい。」
(さてと・・・あいつらのステータスはわかったし、さっさと終わらせて休憩したいな・・・)
3馬鹿を無視して訓練場の中央に移動する。
3馬鹿も俺に続いて移動してきたがニヤニヤして俺をバカにしている様子だった。
「おい!無能!早くしろよ!」
「そうだぞ!早くしろよ!」
(こいつら・・・マジで○していいかな・・・)
3馬鹿はニヤニヤしながら俺の行動を待っている。
俺は3馬鹿を睨みつけながら、メイさんから受け取ったギルドカードを手に持ち、決闘の申請をした。
「メイさん、決闘の申請をお願いします。」
カードを受け取ったメイさんはギルドマスターと何か話した後、訓練場の中央に移動した。
「では!これよりヨウイチさんとフトシさん、ケンタさん、サトシさんの決闘を行います!」
メイさんが大きな声で宣言した。
騒ぎに集まってきた冒険者達が歓声を上げる。
「3人とも準備はいいですか?一応、剣の刃の部分は潰してありますが、無駄な殺生はなしですよ!」
メイさんの問いかけに、俺は無言で頷く。
3馬鹿もニヤニヤしながら頷いているが、俺の元のステータスを知っているのか余裕の表情を浮かべている。
(はぁ・・・さっさと終わらせて休憩したいな・・・)
「では!始め!!」
メイさんの開始の合図と同時に3馬鹿が一斉に襲い掛かってきた。
「ぎゃはははは!死ねええええええええ!」
3馬鹿は俺に向かって、剣を振りかざしてきた。
(はぁ・・・遅いな・・・)
俺はその場で立ち止まり、3馬鹿の攻撃を躱す。
「なに!?」
「避けただと!!」
「無能のくせに生意気なんだよ!」
3馬鹿が俺を睨みつけるが、俺には全く脅威を感じなかった。
(こいつらステータスはそこそこ高いけど、動きが遅すぎる・・・)
「おい!無能!逃げてるんじゃねえよ!」
俺は3馬鹿に向き直り、攻撃態勢をとる。
「なんだ?やる気になったのか?」
3馬鹿はニヤニヤしながら俺を挑発してくるが、無視する。
「覚悟しろよ!無能が!」
3馬鹿はまた同時に俺に襲い掛かってきた。
3馬鹿の攻撃を躱し、すれ違いざまに3馬鹿を斬りつけた。
「ぐああ!!」
「ぎゃあああ!!」
「うぎゃああああ!!!」
3馬鹿の悲鳴が訓練場に響き渡る。
(こいつら弱いな・・・)
3馬鹿の攻撃を躱しながら何度か斬りつけると、3馬鹿の動きが鈍くなった。
「くそ!どうなってやがる!」
「何でこんな攻撃があたるんだ!?」
「雑魚だと思って止めていたけど、魔法つかうわ!」
「ああ!そうだな!」
3馬鹿は何やら相談し始めた。
俺は呆れながら3馬鹿の相談が終わるのを待った。
(はぁ・・・早く終わらせたいな・・・)
3馬鹿が魔法の準備をしている隙に斬りつけたが、上手く躱されてしまった。
「ぎゃははは!残念だったな!」
3馬鹿はニヤニヤしながら俺を見ている。
(はぁ・・・もう面倒だな・・・)
「いくぞ!ファイアーボール!」
「ヒール!×3」
(はぁ・・・こいつらのレベルならこの程度か・・・)
俺は3馬鹿の魔法を避けずに、そのまま受けた。
「ぎゃはは!やったぞ!!」
(ん?全然効いてないんですけど・・・)
3馬鹿は俺の様子を見て大喜びしている。
「おい!無能!!お前よくもやってくれたな!」
「覚悟しろよ!!無能が!!」
3馬鹿は俺に襲い掛かってきた。
(はぁ・・・そろそろ終わらせるか・・・)
3馬鹿の攻撃を避け、後方から剣を突き付けた。
「な!?」
「いつの間に・・・」
「くそ!卑怯だぞ!」
3馬鹿は剣を突き付けられて動揺しているようだった。
(はぁ・・・もういいや・・・)
俺は突き付けた剣を横に薙ぎ払った。
「「「ぎゃああ!!」」」
3馬鹿は悲鳴を上げ、その場に倒れた。
(はぁ・・・やっと終わったか・・・)
俺は3馬鹿を放置してメイさんの方を見た。
「ヨウイチさん!終わりましたか?」
「ええ、終わりましたけど・・・」
「この勝負、ヨウイチさんの勝ちとする!!」
見ていた冒険者の歓声と怒号が聞こえた。
どうやら、賭けが行われていたようだ。
俺は倒れている3馬鹿を見て言った。
「こいつらどうします?ギルドマスター?」
3馬鹿を指さしながら聞くと、訓練場の外からギルドマスターが歩いてきた。
「こいつらは俺が責任もって治療院に連れて行く。その後は、王城の使いにでも突き出せばいいだろ。ヨウイチ、ご苦労だったな!」
ギルドマスターが3馬鹿を担いで訓練場を出て行った。
(ふぅ・・・やっと終わったか・・・)
3馬鹿との決闘が終わり、俺は休憩するために訓練場の中央から移動することにした。
「メイさん、ありがとうございました。」
「いえいえ、ヨウイチさん、お疲れ様でした。」
メイさんにお礼を言って、訓練場の端に移動した。
(さてと・・・報告も終わっているし、家に帰ってゆっくりするか・・・)
訓練場を出て、家に向かって歩き始めた。
(それにしても・・・あの3馬鹿は弱かったな・・・実践経験が少なくてレベルが低かったからな・・・)
先ほどの決闘のことを思い出していた。
(まぁ、レベルが低かったから勝てたけど・・・あの程度のステータスで王城に残っているクラスメイトは大丈夫なのか?)
「まぁ、いいか。今は俺には関係ないな・・・」
俺は足早に家へと向かった。
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