第26話
俺たちはギルドに報告するために、町に戻ってきた。
「そういえば、第3層はどんなモンスターが出るんだろうな?」
「うーん・・・やっぱりコボルトやオークみたいなのがいっぱいいるのかなー?」
「まぁでも、それは戦ってみないとわからないよね!」
(確かにそうだな・・・。よしっ!とりあえず受付で報告してこよう!)
第2層攻略の報告をしにギルドに向かっていると、ギルドからやたら騒がしい声が聞こえた。
ギルドの中を見ると受付で見覚えのある奴らが騒いでいた。
『げ・・・3馬鹿じゃん・・・』
『みんな、受付での報告は俺がするから、見つからないように屋敷に戻って!』
『そう・・・だね・・・ヨウイチ君に押し付けるようで悪いけど、お願いします。』
『ごめんね~・・・あの3人に会いたくないな・・・』
『私も・・・あの3人は苦手です。』
『私もちょっと・・・』
(よしっ!みんな、ナイス判断だ!!)
彼女たちは急いで屋敷に戻り、ギルドの報告は俺がすることになった。
クラスメイトの3馬鹿の事は受付嬢のエリさんが対応しており、メイさんは3人を蔑んだ目で見ていたが、俺を発見したら少し離れた場所に誘導した。
第2層攻略の報告をするため、俺はメイさんの元に向かった。
「おかえりなさい、ヨウイチさん。」
「メイさん、ただいま戻りました。」
「無事で何よりです!」
「アガルタ王都ダンジョンの第2層を攻略したので報告しに来たのですが・・・これは何の騒ぎですか?」
「実は・・・あの3人がダンジョンに行かせろと騒いでまして・・・」
(はぁ・・・やっぱりか。)
「とりあえず、第2層攻略の報告とマップの提出、ドロップアイテムの換金をお願いします。」
「わかりました。」
(あの3人はまた騒ぎやがって!!)
受付で第2層攻略の報告とドロップアイテムの換金をするためにギルドカードを提出する。
メイさんは俺のギルドカードのレベルを見て少し驚いた様子だったが、すぐに手続きを済ませてくれた。
メイさんを待っていると、クラスメイトの3馬鹿が俺を見つけたみたいで近づいてくる。
「おっ!無能の佐藤じゃん!」
「ん?ほんとだ!」
「佐藤、お前、何してんだ?」
「依頼の報告とドロップアイテムの換金だよ。」
3馬鹿はニヤニヤしながら俺を見てくる。
「ぎゃははは!マジかよ!!」
(うぜぇ・・・)
「どうせロクな依頼受けれなくてビンボーなんだろ~?無能だからな~」
「そういや、お前、女子5人見なかったか?」
「多少強くなったんでちゅか~?ぎゃははは!」
(マジでこいつらうぜぇ・・・)
「3人同時に話されても答えれないぞ。そんなこともわからんのか?」
「はぁ?お前、誰に口聞いてんだ?」
「そうだぞ!」
(うぜぇ・・・)
3馬鹿は俺に言い返されるとは思っていなかったのか、一瞬動揺したがすぐに怒りだした。
「・・・お前ら3人って本当にバカだな・・・」
「あぁ!?」
(こいつらマジでめんどくせぇ・・・)
メイさんが戻ってきたので、俺は無視して受付でドロップアイテムの換金を済ませた。
「ヨウイチさん、アガルタ王都ダンジョン第2層の攻略の報酬です。前回と同じでマップは後日になります。」
(あ、メイさん・・・こいつらの前で言わないでほしかった・・・)
「はい、ありがとうございます。」
「おい!無視すんなよ!ってか、ダンジョン攻略?」
「俺らがダンジョン行こうとしても拒否されるのに、なんでこいつだけ!!」
「そうだぞ!俺たちもダンジョンに連れてけよ!」
俺は何も答えず無言で立ち去ろうとしたら、急に肩を掴まれた。
「おいっ!無視してんじゃねーよ!!」
(はぁ・・・マジでウザい・・・)
「ヨウイチさんはダンジョンの発見者で、1か月間のダンジョン探索の優先権が与えられているんです!当然でしょ!」
「マジかよ!なんでこの無能が!おかしいんじゃないか!!!」
「おい、佐藤!俺らもダンジョンに連れていけ!」
「そうだぞ!連れてけ!」
(こいつら本当にバカだな・・・)
「何で俺がお前らの言う事を聞かないといけないんだ。クソ面倒だな・・・」
「なんだと!無能の癖に生意気な事を言ってんじゃねーよ!」
「そうだぞ!無能の癖に!」
(もう、こいつら絞めていいかな・・・)
その後もぎゃんぎゃんと騒ぐ3馬鹿を相手するのに疲れてきた時、ギルドマスターが下りてきた。
「何の騒ぎだ!」
メイさんが急いで駆けつけ、事情を説明した。
「おい!お前ら、いい加減にしろ!!」
ギルドマスターが3馬鹿を怒鳴りつける。
「だって、こいつだけダンジョン攻略してるって・・・」
「こいつだけずるいだろ!」
「そうだぜ!俺たちもダンジョン行きたい!」
ギルドマスターは3馬鹿を睨みつけ、再度怒鳴りつける。
「お前らがダンジョンに行けるわけないだろ!!」
「なんでだよ!?」
3馬鹿は納得いかない様子でギルドマスターを睨みつける。
「ギルド規定に沿って正式なルールで攻略しているんだ。何もずるくないぞ!むしろダンジョン発見してくれてありがたいくらいだ!」
「ぐっ・・・」
ギルドマスターの怒鳴りに一時はおとなしくなったが、また騒ぎ出した。
「俺らは召喚された勇者だぞ!そんなルール知るか!」
(こいつら・・・マジで頭おかしいのか?)
「おい、佐藤!お前がダンジョンに連れて行かないせいだぞ!」
「そうだ!お前がダンジョンに連れて行けよ!」
「はぁ・・・だから、何で俺がお前らと一緒にいかないといけないんだ?」
「無能の癖に生意気な事を言ってんじゃねーよ!」
「ああああ!マジで生意気なやつだな!こうなったら決闘だ!」
「決闘だ、決闘!!」
「何で俺が決闘なんて受けないといけないんだ?」
「あれれ~無能な佐藤くんは俺らに惨めに負けるのが怖いのでちゅか~?」
「ぎゃははは!まじだ!マジでビビってるわ!」
「ぎゃはは!確かにな!」
(こいつら・・・もう、〇していいかな・・・)
3馬鹿が騒いでいると、ギルドマスターの怒りが爆発した。
「お前ら!!いい加減にしろ!!」
ギルドマスターの怒りに3馬鹿はビビったのか、静かになった。
「ヨウイチ!こいつらを黙らせろ!!」
俺はめんどくさそうにしながら3馬鹿に話しかける。
「はぁ・・・お前らいい加減にしろ!決闘でも何でも受けてやるよ。ただし、俺が勝ったらもう俺に関わるな。」
「は?お前が俺らに勝てるわけないだろ!」
「そうだ!お前みたいな無能が俺たちに勝てるわけない!」
(はぁ・・・こいつらマジで○してやろうかな・・・)
俺は3馬鹿との決闘を承諾し、ギルドの訓練場に移動した。
3馬鹿はニヤニヤしながら俺を見てくる。
「俺らが勝ったらダンジョンに連れて行けよ!あと、ダンジョンで得たものは俺らの物な!」
「あ~はいはい、もうそれでいいよ。」
(一応、鑑定しておくか・・・鑑定!)
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【名前】田中太(フトシ)
【種族】人族 【年齢】17歳
【レベル】5/100
【職業】聖騎士 冒険者:Fランク
【状態】良好
身体能力
【HP】560/560
【MP】90/90
【攻撃】240
【防御】380
【魔攻】40
【魔防】280
【敏捷】130
スキル
【聖剣術】▼ 【盾術(極)】▼
【見切り】▼ 【回復魔法】▼
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【名前】鈴木健太(ケンタ)
【種族】人族 【年齢】17歳
【レベル】5/100
【職業】忍者 冒険者:Fランク
【状態】良好
身体能力
【HP】370
【MP】230
【攻撃】260
【防御】220
【魔攻】130
【魔防】80
【敏捷】440
スキル
【忍術】▼ 【隠密】▼
【看破】▼ 【探知】▼
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【名前】山田智司(サトシ)
【種族】人族 【年齢】17歳
【レベル】5/100
【職業】魔導士 冒険者:Fランク
【状態】良好
身体能力
【HP】110
【MP】510
【攻撃】40
【防御】140
【魔攻】450
【魔防】370
【敏捷】110
スキル
【魔術(火,水,風,土)】▼【棒術(極)】▼
【瞑想】▼【詠唱破棄】▼
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