第16話

少しの間、屋敷でメイドさんに入れてもらったお茶を飲みながら休憩していた俺は、次の行動を考えていた。

(まずは、他のメンバーを呼びに行くか。)

屋敷を出て冒険者ギルドに向かった。

(うーん・・・依頼受けるのは明日からでもいいか。)

そう考えながら歩いていると、すぐにギルドに着いた。

(さて、まずはリンさんだな!)

ギルド内にリンさんがいたので話しかけた。

「あ、ヨウイチ!」

「こんにちは!」

「今日はどうしたの?」

「えっとですね・・・」

俺は、事の顛末と他のメンバーを屋敷に住まわせることを伝えた。

「え?メイドさん??」

「えぇ、なんか大丈夫らしいです。」

そんなやり取りをしていると、受付嬢のメイさんが話しかけてきた。

「ヨウイチさん、ちょっといいですか?」

(ん?なんだ??)

「はい、なんでしょう?」

「あのですね・・・ギルドマスターから聞きましたよ!」

(ん?何をだ?)

メイさんが怒り出した。

「なんで、あんないい家を無料でもらってるですか!!しかも、メイドさん付きで!!」

(え?そこなのか???)

受付嬢のエリさんも話しに乗っかってきた。

「ヨウイチさん、私もメイと同じ意見ですよ!」

(え?エリさんも??)

「えっと・・・なぜでしょうか?」

「なんでって!あんないい家を無料でもらえるなんておかしいじゃないですか!!メイドさん付きで!!」

(えぇー!!そこなのかよ!!)

俺は、なんとか落ち着いてもらおうと思い話した。

「えっとですね・・・、実は国王様からお詫びとして住む場所と各々に白金貨1枚を提供していただけることになりました。」

「え?お詫び?屋敷と白金貨1枚を??」

2人に近づき、小声で話した。

「王城から追放されたことに対してです。」

「「どんだけ優遇されてるんですか!!」」

(いや!知らないよ!!)

すると、リンさんがどや顔で話しかけてきた。

「まぁ、国王様からお詫びとして住む場所と白金貨1枚を提供してもらったなら、あの辺りの屋敷に住むのは妥当ね。私が王妃様に掛け合ったのは正解だったわね!」

「はい、リンさんのおかげです。ありがとうございます!」

すると、受付嬢のメイさんとエリさんが話しかけてきた。

「あんないい屋敷をメイドさん付きで無料でもらえるなんて・・・羨ましいです・・・」

「ほんとですよ!私もメイドさんを雇いたいです!!」

2人が羨ましそうにしていると、リンさんが話しかけた。

「それなら、ヨウイチにお願いすればいいじゃない?」

(え?どういうこと??)

そんな話をしていると、ギルドマスターが出てきた。

「お前ら!何を騒いどるんだ!!」

受付嬢のメイとエリは顔を見合わせて仕事に戻って行った。

「全く・・・」

(なんか、ギルドマスターに申し訳ないな・・・)

「それで、今日はどうしたんだ?」

俺はクラスメイトの女子5人を屋敷に住まわせることを伝えた。

「なるほどな・・・わかった!ちゃんと手綱を握ってくれるならいいぞ!」

(手綱??)

「えっと・・・、はい。わかりました・・・」

そして、ギルドマスターにお礼を言って他のメンバーの女子たちの元へ行った。

「あ、ヨウイチ君!国王との謁見はどうだった??」

「国王様にも、王妃様や宰相さんにもいい待遇をしてもらったよ。」

「すごいね!さすがヨウイチ君!」

(いや・・・俺は何もしていないんだけどな・・・)

「ちょっとその辺りの説明もしたいから、ちょっといいかな?」

「おっけー!」

ギルドの会議室が借りれないか、メイさんに確認する。

「メイさん、ギルドの会議室って借りれますか?」

「いいですよ!王城でのお話ですよね?盗聴防止の魔道具もあるので、魔力を流して使ってください!」

「ありがとうございます。」

ギルドの会議室に移動し、他のメンバーの女子達に王城での事と屋敷に住んでもらうこと、お金のことを伝えた。

「え?お屋敷に住めるの??」

「ああ、大丈夫だ!」

「やったー!!」

「ねぇ?ヨウイチ君?」

「どうした??」

「メイドさんもいるの??」

「うん、屋敷と食事の管理のためにメイドさん2人が来ることになっているよ。」

(まぁ、国王が用意してくれたから大丈夫だろう・・・)

「メイドさん!」

「可愛いのかな?」

(いや、知らないよ!)

「ねぇ?ヨウイチ君?」

「ん?なんだ??」

「私達も屋敷に住むんだよね?」

「ああ、そうだけど・・・」

(なんか嫌な予感が・・・)

クラスメイトの女子たちから質問攻めにあい時間がかかってしまった。

(なんか疲れた・・・)

無事?に他のメンバーに王城での顛末を説明し終えた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


王城での顛末の説明後、話し合いの続きを再開した。

「ちょっと皆に聞いてもらいたいことがあるんだ。」

「え?何かな?」

「5人と和解をしてから3週間近くたっているわけだけど、君たちが信頼するに値すると判断したよ。」

(5人共、真剣に聞いてくれているな。)

「一緒に暮らしていくことにもなるし、俺のステータスについて話しておこうと思う。」

「え?ステータスって、ヨウイチ君はまだ誰にも話していないんじゃなかったの?」

「ああ、リンさんは一部知っていることはあるけど、全部は教えてないな。」

(まぁ、このメンバーなら話しても大丈夫だろ!)

「ステータスの内容を箇条書きしてきたから、これを見てくれ。」


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【名前】佐藤洋一(ヨウイチ)

【種族】人族 【年齢】17歳

【レベル】25/100

【職業】鑑定士 冒険者:Cランク

【状態】良好

身体能力

【HP】820

【MP】820

【攻撃】410 + 82

【防御】410

【魔攻】410

【魔防】410

【敏捷】410

スキル

【鑑定(神)】▼

【アイテムボックス(神)】▼

【剣術】▼ 【短剣術】▼

【槍術】▼ 【棒術】▼

【盾術】▼ 【弓術】▼

【怪力】▼ 【算術】▼


<使用不可>

【拳術(30%)】【火魔法(30%)】

【水魔法(20%)】【回復魔法(10%)】

称号

【ゴブリンの宿敵】▼ 

----------------------------------

----------------------------------

【スキル詳細】

・鑑定(神)・・・全てのモノを鑑定することが出来る。生物、非生物問わず、対象の情報を読み取ることが可能。対象の情報を読み取り倒すことで所持しているスキルを自分の経験値にすることが可能。また、情報を改竄することも可能。隠蔽系のスキルで情報を隠すことは出来ない。ただし、レベルが自分より低い相手の場合のみ有効である。対象の情報を読み取る際はMPを消費する。

・アイテムボックス(神)・・・生物以外のモノを亜空間に収納することが出来る。容量は無限で、出し入れする際もMPを消費することはない。また、時間経過による劣化もない。生物を入れることは出来ないが、死体なら可能。使用者のレベルによって収容出来る数に制限がある。

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(スキル【繁殖】と称号【チョロい男】は流石に消させてもらったが・・・)

「これが俺のステータスだ。」

「「「「「・・・・・(唖然)」」」」」

「「「「「・・・・えぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」

(う・うるさい・・・)

「ヨウイチ君、スキルがおかしくない!?」

「まず、この【鑑定(神)】スキルのせいで、他のスキルがやばいことになってるじゃん!!」

「これ、最初のステータス鑑定の時に表示されなかったの!?」

「あぁ、大きい水晶でステータス鑑定したときは何も表示されていなかったな。追放されてから自分自身を鑑定できることがわかって、【鑑定(神)】がやばいことに気づいたんだよ。」

「それにしても、ヨウイチ君のスキルって本当に規格外よね・・・【アイテムボックス(神)】もチートだし・・・」

「そうかな?俺的にはこの身体能力のステータスは弱い方だと思ってるから、もっと強くなりたいんだけど。」

「その身体能力のステータスも普通はすべて同じように上がらないらしいんだよ?」

メンバー5人が集まりこそこそ話し出した。

「(ヨウイチくんのスキルがヤバい件・・・)」

「(あのまま敵対しなくてよかったね・・・)」

「(むしろ王城から追放されてラッキーだったかも・・・)」

「(ねぇ、このまま5人一緒にヨウイチ君とゴールイン目指す?)」

「「「「(賛成!!)」」」」

(なんかこそこそしだしたけど、どうしたんだ?)

「えっと、ヨウイチ君・・・」

「ん?何?」

「私たち、このままヨウイチ君と一緒に冒険者続けていきたいんだけど・・・いいかな?」

「え?もちろんいいけど、急にどうしたの?」

(なんか、みんなモジモジしてるけど?)

「えっとね・・・その、ヨウイチ君・・・」

「うん?」

「私たちも頑張るから、見捨てないで・・・ね?」

「え?見捨てる?なんで?」

(なんか、みんな可愛いな・・・)

「ギルドマスターに私たちのことを頼まれたときに、少し歯切れが悪かったかなって・・・迷惑だったら悪いし・・・」

「あぁ、なんだそんなことか!大丈夫だよ。」

俺は笑顔で答えた。

「え?いいの?」

「うん、全然いいよ!みんなのことは信頼できるって言っただろ。」

「ヨウイチ君、ありがとう!!」

「みんな頑張ろうな!」


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