第14話
俺たちは、ゴブリンの討伐依頼を受注し、町の外までやってきた。
「よし、みんな!準備はいいか?」
クラスメイトの女子たちはやる気に満ち溢れていた。
(やっぱり、昨日より元気になってるな・・・)
「じゃあ、行くぞ!!」
クラスメイトの女子たちは、ゴブリンのいる場所まで歩き始めた。
(あれ?リンさんは??)
俺は周りをキョロキョロと見渡していると、後ろからリンさんが話しかけてきた。
「ヨウイチ、私は後ろから索敵をしながら行くわよ!」
「わかりました。では俺は前で警戒しています!」
「ふふっ。ありがとう!」
(あれ?なんか、いつもより可愛く見える・・・)
リンさんに見惚れていると、クラスメイトの女子たちがゴブリンを見つけたようだ。
(おっ、いた!!)
すると、周りにいるクラスメイトの女子たちから声が上がった。
「あ、ゴブリンだ!!」
「いくよー!!」
そんな声と共に、魔法や剣で攻撃し始めた。
(おぉ・・・みんなレベルが高いな!!)
クラスメイトの女子たちは、次々とゴブリンを倒していった。
(あれ・・・リンさんは?)
俺は周りを見渡したが、リンさんの姿は見当たらなかった。
(あれ?どこに行ったんだ??)
そんな時、後ろから声をかけられた。
「ヨウイチ、ゴブリンは倒したわよ!」
(え、いつの間に?)
「どうしたの?」
クラスメイトの女子たちが話しかけてきた。
「リンさん、すごいです!!」
「さすが、エルフですね!」
(あれ?みんな、リンさんのことをエルフだと知っているのか?)
「みんなはリンさんがエルフだって知っていたの?」
「うん、昨日聞いたよ!」
リンさんは笑顔で話してくれた。
「あの後、宿で女子会をしていた時に話したの。あの子たちに悪意は感じられなかったからね。」
(なるほど・・・そういうことか。)
俺は疑問が解決したので、クラスメイトの女子たちと町に戻ることにした。
このレベル上げは2週間ほど続いた。
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ちょうどその頃、冒険者ギルドで仕事をしていたギルドマスターは・・・
「ふむ・・・、リンのやつ、上手くやっているようだな・・・」
(まぁ、あの様子なら大丈夫だろう。)
ギルドマスターは仕事をしながら考え事をしていた。
(あとは、ヨウイチがしっかりと手綱を握ってくれればいいんだがな・・・異世界人は貴重だ。それを王城のやつらはわかっていない・・・)
そんなことを考えていると、受付嬢が部屋に入ってきて話しかけてきた。
「ギルドマスター、少しよろしいですか?」
「ん?どうした??」
(珍しいな・・・)
すると、受付嬢は真剣な顔で話し始めた。
「実は王城から連絡がありまして・・・」
「ほう・・・それで内容は?」
(王城からの連絡?)
「はい・・・異世界人についてです・・・」
ギルドマスターは少し驚いた表情をした。
「異世界人についてだと?」
(あいつら、何かしたのか?)
「いえ・・・実は・・・」
受付嬢は、ギルドマスターに王城から届いた手紙の内容を話し始めた。
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(うーん・・・困ったなぁ・・・)
俺は宿に戻るとリンさんが話しかけてきた。
「ヨウイチ、どうしたの?」
そんなやり取りをしていると、クラスメイトの女子たちも部屋に戻ってきた。
(あ、ちょうどいいや!)
「みんな、ちょっと聞いてくれ!ギルドに届いた手紙があってね・・・」
俺はクラスメイトの女子たちに、王城から届いた手紙の内容を話した。
「クラスの男子達が追放した女子を返せって言ってるみたいなんだ。特にあの3馬鹿トリオが・・・」
(さて、どんな反応が返ってくるかな・・・あれ?なんか、みんな暗いな・・・)
「えっと、3馬鹿トリオは私たち女子をいじめていた奴らだよ・・・」
「そうそう、私たち女子に俺の女になれとか言われて、拒否していたらいじめられるようになったの・・・」
「あいつらスキルが強かったからって調子に乗ってたよね・・・」
(え?そんなことがあったの??)
俺はクラスメイトの女子たちに聞いてみた。
「えっと・・・みんなは、そいつらのことどうしたい?」
「うーん・・・私たちもいじめられてたから、仕返ししたいかな・・・正直あの3馬鹿のことは嫌いなんだよね・・・」
(あ、やっぱりそうなんだ・・・)
すると、リンさんが話しかけてきた。
「ヨウイチ、その3馬鹿トリオって言うのは、私が懲らしめておくわ!王城にはいくつか伝手があるのよ!」
(え?どういうこと?伝手?)
俺が疑問に思っていると、クラスメイトの女子たちが答えた。
「あ、それいいですね!!」
(あれ?みんなノリノリだな・・・)
「じゃあ、リンさんが懲らしめてくれるってことでいいのか?」
クラスメイトの女子たちは元気よく返事をした。
(え?いいの?)
俺はみんなの反応に驚いた。
(まぁ、いいか・・・)
そんなやり取りをしていると、リンさんが話しかけてきた。
「ヨウイチ!明日早速王城に行ってくるわ!」
「わかりました!よろしくお願いします!!」
(あれ?なんか、いつの間にかリンさんのペースになってるな・・・)
こうして、リンさんは王城に行くことになった。
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翌朝、俺たちは冒険者ギルドに来ていた。
(さてと・・・今日もゴブリンの討伐依頼を受注するか!)
「よし、みんな行くぞ!!」
そんな掛け声と共に、俺たちは町の外までやってきた。
「じゃあ、ゴブリン討伐をしていくぞ!今日はリンさんがいないから、索敵は自分たちで行うんだ!」
「うん!」
クラスメイトの女子たちは、ゴブリンを見つけては次々と倒し始めた。
(あれ?なんかみんなの動きにキレがあるな・・・)
俺は疑問に思いながら、ゴブリンを倒し続けた。
(まぁ、みんな元気だしいいか・・・)
ゴブリンを狩り続け、夕方になってきたので帰ろうとした時、クラスメイトの女子たちが声を上げた。
「あ、リンさんだ!!」
俺たちは振り向くと、リンさんがいた。
(え?ここの位置がよくわかったな・・・)
俺が不思議に思っていると、リンさんは笑顔で話しかけてきた。
「ヨウイチ、王城で協力者を探してきたわ!」
(協力者??)
「えっと、どういうことですか??」
リンさんは、王城での出来事を話し始めた。
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私は王城に着くと門番と挨拶し、すぐに王妃様の元に向かった。
(さてと・・・あの子たちのためにも頑張らないとね!!)
メイドに連れられ王妃様の部屋をノックした。
コンコン・・・ガチャ・・・
すると、王妃は笑顔で出迎えてくれた。
「あら、リンじゃない!どうしたの??こっちに来なさい。お茶にしましょう!」
(相変わらず元気そうね・・・)
お茶を飲みながら、追放された女の子たちのことを話した。
「実は異世界人の一部の男子たちが一部の女子たちをいじめていたみたいなんです・・・」
「まぁ!なんてひどい子たちなのかしら!」
「そのいじめを受けていた子たちは王城から追放されて、今、私の所にきているんですよ。」
すると、王妃様は少し考えて答えた。
「わかったわ!そのいじめていた子たちを懲らしめるわよ!それに王城から追放?あの人にも徹底的に説明してもらわないとね・・・」
(ふふっ!やっぱり、やる気満々ね・・・)
「じゃあ、王妃様にも協力してもらうってことでいいかしら?」
「もちろんよ!リンのため、同じ女性のために一肌脱ぐわ!」
そんなやり取りをしていると、メイドが話しかけてきた。
「リン様?そろそろお時間です・・・」
「では王妃様、また詳しいことは別途相談させてくださいね!それでは失礼します!」
私は王城を後にして宿に戻った。
(さてと、早速あの子たちに会いにいきましょう!!)
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