第10話

そして、ギルドに到着して中に入ると、受付嬢たちが声をかけてきた。

「「「「おかえりなさいませ!!」」」」

(おぉ・・・なんかすげぇな・・・)

受付嬢たちの反応に驚いていると、ガインさんが受付嬢に報告する。

「おうっ!報告をしたいんだが・・・」

「はい、わかりました!」

受付嬢のメイさんは紙を持ってきて、俺たちに話し始めた。

「では、こちらに討伐したオークの数を記入してください。」

(そうか・・・倒した数も報告しなきゃいけないのか・・・面倒臭いな・・・)

俺は紙に数と名前を書き終えると、メイさんが話しかけてきた。

「集落の討伐報酬は、現地の確認後お渡ししますので、3日後にまたお越しください。今日はお疲れ様でした!」

「わかりました!」

「では、またのお越しをお待ちしております!」

(よし、これで依頼達成だな!!)

「よし、討伐成功祝いで飲みに行くぞ!!ヨウイチも付き合え!」

ガインさんがそう言うと、リンさんも嬉しそうに言った。

「やったー!!ヨウイチも行くでしょ?」

(え?まじか・・・うーん・・・まぁ、いっか!)

「はい!行きます!!」

俺が返事をすると、2人は笑顔で話し始めた。

そして、ギルドを出て酒場に向かった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


3日後・・・

「おはようございます!!」

「あ、ヨウイチさん!討伐報酬の件でお話が・・・」

「わかりました!」

俺はメイさんについて行き、ギルドマスターの部屋に入った。

ギルドマスターの部屋には、ガインさんとリンさんが先におり、もう一人見知らぬ男性がいた。

(この人がギルドマスターなのか?)

部屋にいた見知らぬ人物の素性が気になっていると、ギルドマスターらしき人が話しかけてきた。

「君がヨウイチかな?よく来たな!!」

「おはようございます!」

すると、ガインさんが話しかけてきた。

「おい、ヨウイチ!!この人はここのギルドマスターのドルトンさんだ!!挨拶しろ!!」

(あ、やっぱりこの人がここのギルドマスターか・・・)

慌てて自己紹介をした。

「初めまして!ヨウイチです!」

「はっはっは!元気があっていいな!!」

(うーん・・・なんか、めっちゃフレンドリーな人だな・・・)

ギルドマスターのドルトンさんが話しかけてきた。

「さて、では本題だ!オーク集落の討伐報酬だが・・・」

俺は唾をゴクリと飲み込んだ。

(やばい・・・いくらもらえるんだ・・・)

「今回はオーク集落の討伐報酬として、3人で大金貨10枚だ!!」

(え?まじか!やったー!!)

心の中でガッツポーズをした。ガインさんとリンさんも嬉しそうにしている。

「ありがとうございます!!」

(やべぇ・・・大金だ!!)

「いや!こちらこそ、オーク集落の討伐ありがとうな!それでなんだが・・・」

(ん?なんだ??)

首を傾げながら聞いていると、ギルドマスターがとんでもないことを言ってきた。

「ヨウイチ!試験はあるが、Cランク冒険者にならないか?」

聞く話によると、Cランクというのは冒険者が一人前となるランクで試験さえ突破すれば普通に上がっていくらしい。

とはいえ、俺は他の人が2~3年かかる所を1年未満で上がっているので早いといえば早いのだが・・・

今回のオークの集落討伐でAランクに付いていけて、それなりの戦績を残したから考慮されたのだとか。

特に単独でオークを討伐することは案外難しいみたいだ。

「Cランクからは護衛任務や盗賊討伐等の人との戦闘もあるから、そこで挫折してしまう奴も多いんだ。」

(なるほど・・・確かに、人との戦闘は怖いな・・・)

「そこで!試験では盗賊討伐が課目になっていて、それをクリアしないと昇格できないようになっている。」

(うーん・・・Cランクか・・・でも、正直もう強いモンスターと戦うのも疲れたしな・・・Dランクでゆっくりお金を稼ぐだけでも問題ないんだよねぇ・・・)

冒険者のランクについて悩んでいると、ガインさんが話しかけてきた。

「ヨウイチ、お前ならできる!!」

(え?まじか??いや、でもなぁー・・・)

そんなことを考えていると、リンさんも話しかけてきた。

「ヨウイチ、試験頑張ってね!!」

(うーん・・・まぁ、いっか!!)

とことんリンさんには弱いヨウイチであった。

「わかりました!」

「よし!では、試験は1週間後だ!万全の用意をしておけよ!」

「はい!」

(よし、試験に向けて頑張らないとな!!)


現在のステータス

----------------------------------

【名前】佐藤洋一(ヨウイチ)

【種族】人族 【年齢】17歳

【レベル】20/100

【職業】鑑定士 冒険者:Dランク

【状態】良好

身体能力

【HP】370/370 → 670/670

【MP】370/370 → 670/670

【攻撃】185 → 335 + 67

【防御】185 → 335

【魔攻】185 → 335

【魔防】185 → 335

【敏捷】185 → 335

スキル

【鑑定(神)】▼

【アイテムボックス(神)】▼

【剣術】▼ 【短剣術】▼

【槍術】▼ 【棒術】▼

【盾術】▼ 【怪力】▼

【算術】▼ 【繁殖】▼(現在OFF状態)

<使用不可>

【弓術(80%)】【火魔法(30%)】

【水魔法(20%)】【回復魔法(10%)】

称号

【ゴブリンの宿敵】▼ 【チョロい男】▼

----------------------------------


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


オークの集落討伐報酬を貰ってから1週間が経ち、今日はCランク冒険者になるための試験日だ。

(さて・・・とりあえず準備はできたけど・・・どうするかね・・・)

Cランク冒険者になるには盗賊を討伐する必要があるのだが、正直な所、人と戦うのは怖い。

だが、昇格を狙うのであれば、このままいつまでもDランク冒険者というわけにもいかない。

(うーん・・・まぁ、とりあえず行ってみるか!!)

ギルドに向かって歩き出した。

「おはようございます!!」

ギルドに入ると、受付嬢のメイさんが話しかけてきた。

「あ、ヨウイチさん!今日は試験日ですが、大丈夫そうですか?」

(ん?大丈夫かって??)

「今日は盗賊討伐の試験ですが、無理しないでくださいね!」

(なるほど・・・心配してくれてるのか・・・)

そんなことを思っていると、ガインさんが話しかけてきた。

「ヨウイチ、頑張れよ!お前ならできるぞ!!」

(いや、頑張るけども・・・なんでこの人こんなに応援してくれてるんだ?)

周りを見ると受験生らしき人が9人ほどいた。

ギルドマスターのドルトンさんが声をかけてきた。

「よし!では、盗賊討伐に行くぞ!!」

(あ、そういえば、場所ってどこなんだろう?)

「あの・・・場所はどこですか?」

俺がそう聞くと、ドルトンさんが答えてくれた。

「あぁ!すまんな!場所は隣町から少し離れたところにある森だ!」

(あ、隣町に盗賊の住処があるのか・・・)

「わかりました!」

「よし、では行くぞ!!」

俺はギルドマスターのドルトンさんについて行った。

すると、ガインさんとリンさんもついてきた。

「ガインさん?リンさんまで・・・どうしてついてくるんですか?」

「はっはっは!ヨウイチ、俺らは念のための護衛だ!!」

そんなやりとりをしながら馬車で移動していると、夜に隣町に到着した。

そして、ドルトンさんは門番に盗賊討伐のことを伝えていた。

「ドルトン殿、お疲れ様です!!それで・・・今回はどのような・・・」

門番がそう聞くと、ドルトンさんは答えた。

「あぁ!これから盗賊を討伐に行くんだ!」

(え?今から行くのか?)

今から行くことに驚いていると、門番も驚いた表情をしていた。

「えぇ!?今からですか!?」

(まぁ、そうだよな・・・普通は準備して朝から行くよな・・・)

ガインさんが話しかけてきた。

「ヨウイチ、盗賊は夜に酒盛りしているから、今から行っても大丈夫だぞ!!」

(いや、そういう問題じゃないだろ・・・)

呆れている中、ギルドマスターとの話が終えたのか、門番が皆に激励した。

「わかりました。では、お気をつけて!!」

そんなやりとりをして、俺たちは森に向かって歩き出した。


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