(二)-19
北郷は急発進で前のめりになったが、そのおかげで目の前のエアバッグはだいぶ縮んだ。
「おいこら! 待てやこら!」
大声を上げながら男たちは追って来た。
車はバックで一本道を突き進んでゆく。
「あいつらバカか。両方で挟み撃ちにすれば、俺たち逃げられなかったのにな」
福島はそう言うと、ちょうど車が十字路に差し掛かったので、再度急ブレーキを踏んだ。
男たちの二人が走って追いついて、ボンネットに貼り付いた。
福島は車を急発進させた。左折する。男たちが慌てて車を避ける。ボンネットに貼り付いた男のうち、一人はすぐに落ちたが、もう一人は二〇メートルほど頑張ったものの、福島はスピードを上げたため、どうにもならなくなったのか、怖くなったのか、右側に転げていった。
(続く)
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