第9話:なんで私がドキドキしてるの

 顔を朱色に染めて、うるうるな瞳。

 けれど、それでも私のことを真剣な眼差しで見つめ、目を逸らさない。

 本気なのだ。彼女は。


「おねがい」


 そう言われても………

 菜乃葉は私の右手を両手でぎゅっと握る。


「私のここ、触って?真希ちゃん」


 そう言いながら、とうとう菜乃葉は私の手をその菜乃葉の胸の膨らみへと持っていく。


「だ、だめだよ………///」


 言葉ではそう言って抵抗するけど、実際に手を振り払えるかと聞かれれば、それはNOで。私はされるがままに手を持って行かれている。


 そして、とうとう―――



「っ――――//////」



 柔らかい、と思う。

 パジャマは布地が薄くて。だけど菜乃葉はナイトブラをつけてるから、触り心地を聞かれれば。

 柔らかさよりも、やっぱり形が良かったとしか言いようがない。

 って!なんで私は感想を思い浮かべてるのっ!


「も、もうおしまい!今日はもう灯りも消して、寝るよっ!!」


 どうして菜乃葉が急に、あんな奇行を起こしたのかは分からない。

 けれど菜乃葉の、は真剣そのものだった。きっと何か意図があったことは明白で。


 私は悶々としながらテーブルをどかして、床に敷布団を敷いた。私のベッドのすぐ隣にだ。


 そして敷布団に菜乃葉を押して行き、本当に灯りを消す。


「真希ちゃん、一緒に寝たい」

「………一緒に寝てるじゃん」


 私はベッドに潜り、さっきから何やら煩い心臓を、胸を、抑えながらうずくまっている。


「そういう意味じゃなくて、私もベッドがいい」

「そ、それは無理っ」

「どうして???」














「そんなの……わっかんないよ///」


 なんで私が、こんなにドキドキしてるの!?



━━━━━━━━━━━━━━━

ミスじゃありません。

本当にこんなに短いですがミスじゃありません。


お気付きの方がいらっしゃるかは分かりませんが、私はここまでで、主人公である真希ちゃんの心情を『親友』というワードをメインに描いたつもりです。


そしてここで、一つめのターニングポイント。


色々と区切りが良いのです。

なので、今回は短いです。

ミスじゃありません。ミスじゃないったら、ミスじゃないんです………

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