第9話 出発
――
ある日、私は璃穏とカースト上位の女子グループたちが普段使わない旧棟の方へと歩いていく姿を見かけた。何となく見かけただけだったので特に何も考えずにいたが、少しして璃穏だけ戻ってきた。私は彼女に話しかけたが彼女は簡単な反応だけですぐに去ってしまった。
その時に見た彼女の目は、泣いた後のように赤くなっており、鼻をすする音も聞こえた。
私は重大な何かを感じ、そしてそれと向き合う勇気がなかった。
――
私は友馬たちに事情を説明し、その闇魔法が存在する場所へと向かうことを話した。3人は当然賛成してくれた。
「でも、皆が行くとこの村が危ないと思うんだけど、そこはどうするかだな」
「流石友馬だな! 俺全然考えてなかったわ! ならこの村は俺と杏夏で守っとくぜ」
「うんうん、任せなさい! だから美火と友馬、璃穏はその闇魔法? のやつ壊しに行って来てよ!」
「2人とも……ありがとう。それじゃあ、それでやろう! 友馬もそれで良い?」
「もちろん。それでこの村に恩が返せるなら絶対にやるべきだよな」
そうして、短い作戦会議は終わり、旅は私、友馬、璃穏の3人が、魔物を引き寄せている闇魔法の破壊の旅に行くことになった。
この旅が平和をもたらし、混沌へと繋がる一歩となることなんて、知る由もなく、私たちは世界へと一歩踏み出した。
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