第4話 勝負事
二人は屈伸や腕を伸ばす準備運動をして、これから起きる戦闘に向けて準備をしている。私と友馬は彼らに声をかけた。
「駿に杏夏! 助かったよ~流石運動部だね!」
「二人とも遅くなったな! 間に合って良かったぜ! な、杏夏!」
「うんうん! ほんと、ギリギリだったよね! まさかここまで来てるなんて思わなかった!」
二人とも昨日からずっと活動していたにも関わらず、満面の笑みを浮かべて話す。この二人の無尽蔵な体力にはいつも驚かされる。
「二人とも、昨日からお疲れ様。それで、状況的にはどんな感じ?」
「おう! ひとまず、魔物の群れはそろそろ終わる感じだな! 今日村を襲って言った群れが最後だと思うぜ!」
「そそ、それで、あとは魔物の群れの中でも大物な奴が、あと少しで来ると思うよ! 結構デカい奴! なんとなんと、そいつは昨日取り逃がしちゃったやつなんだよ! それ以外は大体やったよ! でも、倒した数を駿と競ってたんだけど、接戦で負けたのが悔しい!」
「ギリギリ勝ったぜ! やっぱ小さな競争が一番楽しいな! 次は……」
駿は一旦言葉を区切る。彼の視線の先には、岩で出来たゴーレムが大股で近づいてくるのが見えた。先ほどの岩も、あのゴーレムが仕掛けたのだろう。
「4人で協力して先にあいつを倒した奴が優勝ってのはどうだ?」
「うんうん、最高に燃えてきた! ねね、美火と友馬もそうだよね! ね!」
「むーん。村の安全がかかってるから、お気楽には出来ないけど、でも、その勝負は乗った!」
「全く、なんでも勝負事しようとするんだからさ駿は。まあ、やるしかないんだけどな」
ゴーレムが再び4つの岩を手のひらの銃口から撃ち出す。私は火属性、友馬は風属性、駿は地属性、杏夏は水属性をそれぞれ発動し、その岩を真正面から砕く。その砕けた音が、私たちの開戦の合図となった。
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