第30話
ようやく、公園のまわりも暖かくなる。春を感じるのは、春風のそよぎも、そうであるが、やはり、命の営みに接するときである。青テントのなかにも、春を知らせる小さな命がある。目で、それを追うと、生き物の奇蹟を実感できる。
テント
青テント小屋のよこにできた小さな水溜まりにも、いつしか小さな命が息づいている。青蛙の卵が孵り、いくつものオタマジャクシが小池のなかをうごめいている。それらはやがて蛙になり、旅立ち、そして、親蛙となって小池に帰ってくるだろう。
小さな命ですら懸命に生きている。まして、私はこれだけの躰を持ちながら、何も成せないのはおかしい。何事か成すためにも、一歩踏み出さなければならぬ。そう、蛙の巣立ちを見守りながら、しずかに決意をする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます