第28話
拾った新聞を見ると、どこかの山岳の写真は、夕陽に照らされて赤々としている。幼い頃に見た伊豆の岩山を思い出す。故郷は、もう帰れない場所になってしまった。ぽっかりと、そこだけ行けない土地になった。
貧乏しても、風流はしたい。どうせ、なにをどうやっても同じなら、風流を気取っていたい。自生している茶葉を摘んで蒸す、そして、揉んで乾かす。抹茶ではないが緑茶を喫す。青い空に小鳥が飛んでゆく。心に掛る涼やかな声である。
ネオン
暗い夜道を、何か落ちてはいないかと、下ばかり見て歩いていると、向こうで争う声がする。時刻は、深夜二時である。声は鋭く高い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます