第21話
いつまでも
なんにも無かったわけではない。路上生活に入るまえには、いろいろなことがあった。小さな店をだしたこともあった。家庭をもったこともあった。
大きな河のほとりを棲み家としている猫がいた。猫は目が見えなかった。かろうじて善意のひとの餌で命をつないでいた。五月の冷たい雨が降るなか、猫は橋の下で待っていた。ただ、ひたすら待つのが、この猫の
こんないい
テント小屋のなかで寝ていると暖かさで目をさます。外にでると、太陽は頭上にあり、まぶしい。じんわりと暖かく、いい季節だと実感する。どうせ、死ぬなら、こんな天気のいい日に
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