第7話

 缶潰かんつぶし 昨日きのう今日きょうと 明日あすつぶ


 遠くで空缶あきかんつぶしている音がする。公園の林の木漏こもれ日なか、場に合わない音が断続している。空缶の潰れる音が、なにか大切なものを壊しているような気がして、気が滅入ることがある。もうこれ以上壊れるものはないと思うが。



 テントむら ひとの気持きもちの そこそこ


 清貧をもとめるのは、まちがっている。性格破綻、低知能、無学無教養、低モラル、不運が蔓延しているのが、テント村である。路上生活者に究極の精神状態をもとめるのは、無謀である。しかし、また、そうう生活だからこそ見出したいと思うことがある。



 めぐみあめ テントらして 青落葉あおおちば


 台風のような豪雨になると、テント村は静まりかえる。農村にとっては恵みの雨であるが、路上生活者にとっては生命の危機に直結する。テントの上にある大樹の枝が大風により、折れて落ちることがある。そうなるとケガで済まないこともある。


 



 

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