番外編⑥ キッカーノ(その『ざまぁ』請け負います~):クズオブドクズの人格形成に迫る?



           ――特報!――


 私のカク友の一人(……と思いたい(;^_^A))、初美陽一先生の新刊。

 ”その『ざまぁ』請け負います 不遇ヒロインを救う陰の退職代行”


 1巻が10月18日、いよいよ発売されますッッ!!!!


 すでに幾多の書籍化を果たしているプロ作家の初美先生の新作、もちろん私も購入して応援しますよ~。あ、拝読用と保管用と布教用の3冊は押さえておきたいですね(マテw

 皆様もぜひにご購入下さい。売れ行きが良ければ2巻以降も、そして初美先生の描くほかの作品も次々と世に出て、ポップでシュールな初美ワールドがラノベ界を席巻する事こと請け合いでしょう。


 ……で、私も何か購入以外にも支援したいと思い、この「愛すべき脇役~」で初のWeb小説(現時点では書籍発売はまだなので)を取り上げて、ささやかな宣伝応援にしたいと思います。


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 すでにここに来られる方の多くの方はご存じかと思いますが、私はいわゆる『ざまぁ』は大ッッッ嫌いです……アレ?

 ヲヲヲヲヲヲィどーすんだこれ!?(錯乱)



 理由も何度か語っていますが、平たく言えば『ざまぁされる側が可哀想すぎる』のが一番の理由です。

 いくら悪人に描かれていようと、主人公とその周囲のキャラそして作品世界に集団リンチされているようにしか見えませんからねぇ。

 私は自分が世界の主役なんて思ってませんから、どーしても物語を主人公以外の視点から見ちゃうのです。



 なので今回は逆を突く視点として、この作品のざまぁされる側のクズ冒険者、キッカーノ君にスポットを当ててみたいと思います。


 まずは人物紹介から(※ネタバレ注意)。


 キッカーノはとあるファンタジー世界において、A級パーティーのリーダーを務める『全能の魔法剣士』の異名をとる若者であります。

 しかしその性悪クズさは群を抜いており、己の強さに己惚れて他人を片っ端から見下し、パーティの仲間すら奴隷のように扱い、得たお宝はほぼ自分が独占し、自己の利益の為には他人を陥れることに全く躊躇しない、まさにクズの中のクズ男として描かれています。


 口を開けば威張り散らし、周囲を卑下して悦に浸る。単純なヨイショを受けた時だけ上機嫌になり、己の実力を過信して自分の権利だけを主張する。そして悪辣な詐欺まがいの手段で他人を罠にはめて破滅させる……もし存在したら絶対に近寄りたくない人物でしょうね。


 ご多分に漏れず、そのパーティに所属していたリン・エレクトラちゃんの依頼を受けた「ざまぁ執行者」のクロウ達の仕掛けた落とし穴にまんまとハマって悲惨な最期を遂げる、まぁ典型的なというか、むしろ徹底したざまぁ喰らわされキャラでした。



 さて、そんな彼にスポットを当ててみると……果たしてどんな人生を送ればこれほどのクズキャラが出来上がるのか、非常に考察のし甲斐があります(何?


 まず彼は横柄で常に上から目線です。という事は貴族とか王族とか、何か相手を見下す身分の家の出身、いわゆる「上流階級のボンボン」系のキャラというイメージが湧きます。

 でも、どうやらそれは無さそうです。そもそもそのお家が健在なら冒険者などやってないでしょうし、仮に没落したんだとしたらそれなりの苦労も経験しているはずです。

 あと、お金に対する管理も不自然でしょう。貯金なんて考えるタイプでもないのに、財宝を発見しても仲間には銀貨一枚投げるだけで、国に税すら納めずに着服ポッケナイナイする。その儲けをギャンブルで食いつぶし、さらなる金儲けを目論んで悪事を繰り返す。どう見てもボンボンの行為ではないでしょう。



 次に考えられるのは真逆の、過酷な環境から成りあがった下剋上キャラ、という線も考えてみましょう。世を憎み、己の境遇を嫌い、それらをバネにして成りあがったワル上等の男……。

 これもないでしょうね。そういう人間が成りあがるには人間関係、少なくとも心の許せる友人は不可欠です。自分の悪事に共感してもらえる人間がいないと、嫌われながら生きていくこと自体非常に困難ですから。

 現に同作品の他の成敗ざまぁされるキャラ、『組合長』や『ザク司教』なんかは大勢の同じ穴のムジナを従えており、いわゆる「赤信号ワルいことみんなで渡れば怖くない」を実践しておりました。

 でも、彼は一人です。一人で威張り散らし、卑劣な手口を使って利益を得て周囲を不幸に陥れています。ウシ〇マくんにしてもミ〇ミの帝王にしても銀河〇雄伝説にしても、自分側の人間がいる事は成り上がりの重要なファクターのひとつになります。なので成り上がりキャラの線もまずないでしょうね。



 天才型人間の思い上がりタイプ、という線はどうでしょうか。彼は確かにこの世界で剣技と魔法の両方を使える、珍しい魔法剣士という能力を持っていました。

 しかもパーティメンバーに加わる相手に詐欺契約書を書かせ、保険金目当てに用済みになった仲間を闇に葬るという、下種な詐欺を用意周到に準備しています。

 悪人としての才能としたたかさを持ち、常に先を見据えてガツガツと利益を追求する。なるほどこの線なら……ないでしょうねぇ。

 本当に天才なら危機管理リスクヘッジもしっかりしているはずです。優秀な詐欺師や悪人なら、表面上は善人の皮を被っていなければいけません。己の悪事がバレないように装い、証拠隠滅からアリバイ、疑われないようにする為の環境づくりも整える必要があります。少なくともヒャッハー気質な彼にそんな天才の資質があるとは思えません。



 じゃあ、一体彼はどういう人生を送って来たのでしょうか。

 個人的な考えですが、実はひとつ彼にぴったりと当てはまるケースがあります。



 『現代日本からの異世界転生、転移者』



 己に与えられたチート能力を振りかざし、自分が主人公だと思い込んで好き勝手に行動する。自分以外は全員が『異世界人』、つまりという認識が、他人との交流や譲歩、そして仲間意識を拒絶させてしまっているとしたら――

 彼にもし『自分以外は全員脇役、だから主役たる俺様は何をやってもいい』という認識があるなら、彼の作中での横暴のほぼすべてに納得がいきます。


 まるでゲームプレイ中に、モブキャラや敵キャラに悪態をつくゲーマーのように。


 そして詐欺の手口も実に転生者っぽいです。契約書の捏造や保険金狙いの殺人なんかはコッチの世界では使い古された手ですが、ファンタジー世界ならまだまだ通じると思ってたのではないでしょうか。

 よく転生モノでこっちの料理や道具、遊びなんかを持ち込むのは定番と言えるでしょうが、キッカーノは詐欺の手口を輸入したとしたら……彼は飯や文化を持ち込んだ転生者と同じく、自分の手腕にドヤ顔をしてたのかもしれません。


 彼は破滅寸前に、逃げ伸びて違う場所で別人になって再起を図る事を思いつきました。今までのこの世界での自分もかりそめの存在だったのですから、別人になる事にためらいが無かったのではないでしょうか。

 別のアカウントに乗り換えて「強くてニューゲーム」を始めるようなノリで。


 残念ながらというか当然というか、彼のその逃避行動は成功しませんでした。格下だと思っていたモンスターに、自分の能力がチンケであったことを思い知らされて、おそらくは命を落としました。まるでヒグマにピストル一本で挑んで即死させられるかのように。

 『銃』という武器を過信して、自らが無敵になった気で、気が付けば取り返しがつかなくなっていたかのように。



 よく宝くじの一等が当たった人が金銭感覚を破滅させて人生を狂わせるという話を聞きます。そして「俺はそんな失敗はしない」と自信満々に言う人がいます。

 で、そういう人ほどポンと大金を手に入れると、定番の様に破滅したりするんですよねぇ。


 キッカーノ君、まさにそのパターンにハマったキャラではなかったでしょうか(推測)。


 力(現代社会ではお金)を持つ者は、ある意味謙虚でなければいけません。何かを得たなら、それを失うことに対して警戒をしなければなりません。


 そんな教訓を与えてくれたのが彼、キッカーノというキャラクターの役目だったのではないでしょうか。



 それはさておきさぁ皆さん、10月18日は書店にGO!ヾ(≧▽≦)ノ

 ……ウチの地元ではたぶん、週明け入荷になると思いますけど(;^_^A

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