第4話
41回目、ヴァイオレットは逃げることを諦めた。
そして、籠城する道を選んだ。
41回目、ヴァイオレットは持ち前の魔道具を馬車に張り巡らせ、籠城した。暗殺者を馬車の中に入れないように、徹底的に立て籠った。けれど、途中で魔力が切れて殺された。
42回目、41回目同様の魔法を使用したが、いかに魔力を少なく使用できるかに重きを置き、魔法を展開させ続けた。が、最終的にはまたもや魔力切れで死亡した。
42回目、43回目、44回目、45回目と同様のことが起きた。
だからこそ、ヴァイオレットは考えた。魔力を展開する時間を測れば良いのではないかと。
46回目、ヴァイオレットは魔法を展開させず、懐中時計を握り締め続けた。ひたすらに時計を見つめ、時を記憶に叩き刻む。何の対処もしなかった為か、ヴァイオレットは1度目の襲撃であっという間に命を落とした。けれど、今回の襲撃では欲しい情報が手に入った。
47回目、ヴァイオレットは記憶を頼りに、襲撃ちょうどに魔法を展開させた。
———ガキィンっ、
ド派手な金属音が響いたのを耳にしながら、ヴァイオレットは魔法を展開させ続け、続けて、魔力切れでまたもや殺された。
(もう1回やらないと無理ね………、)
ということで、48回目のヴァイオレットは1回目の襲撃を魔法で交わし、その後懐中時計を片手に魔法の展開を止める。そして、2回目の襲撃で殺された。
49回目、50回目………、何度も何度も、計5回の襲撃を完璧に乗り越えられるぐらいまで人生をループし続けたヴァイオレットは、70回目のループでやっと全てのループを乗り越えられた。
馬車の中で歓喜の舞を舞った。
ぴょんぴょん飛び跳ね、ぐるぐるとステップを踏んで、そして僅かな浮遊感ののちにまたループしていた。意味がわからなかった。
71回目の人生は、呆けているうちに終わっていて、72回目でまた70回目と同じ方法を試した。そこでも70回目と同じように死んでしまった。
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