第30話 7

 土曜日m俺は希望者だけのテスト受けた。あいつも受けている。こういう積み重ねが、いつか花開く。

 テストが終わり、帰宅しようと思った。

「伊田、極とMUC行くけどいっしょにいかない?」

 上野が声をかけたきた。俺はちょっと野暮用があったので、断った。

「まぁ、後から参加してもかまわないから、気が向いたら来てよ」

 そうして、上野はあいつを連れて行った。

 俺はというと、五十嵐先輩のところに赴いていた。

「よう、ラッキーボーイくん」

「…………俺のことですか?」

 五十嵐先輩はこめかみに怒りマークを掲げながら、近寄ってくる。

「詩翔雪さんの隣に居座る、ラッキーボーイくんだろ?」

 ガンつけて迫る五十嵐先輩。それに対して俺は、

「別に運だけであいつの隣にいるわけではないっすから」

 と睨み返した。

 数分の視殺線。

「ふ、冗談だ」

 五十嵐先輩は引いた。

「それで、俺に何のようだ?」

「あいつが先輩を振った尻拭いですよ。MUCで一品おごります」

「買収か?」

「いえ、単にあいつを好きになってくれたお礼です」

 五十嵐先輩は訝しんでいたが、

「まぁ、素直に受け取っておこう」

 そして、俺と五十嵐先輩は、あいつと上野が絡まれている最中に出くわす。

 これも予定道理だ。

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