第29話 6

 あいつがまた告白されたらしい。

 相手はまた五十嵐先輩。

 ボーイッシュガール萌えらしい。

 噂が広がった。

「男の子っぽい女の子が好きですって!」

「まぁ、嫌ね!」

「以前五十嵐先輩に告白した子がいるのだけど、相手にされなかったのよ」

「男のような女の子って、男の娘かしら!?」

「それは男の子ですわよ」

「「ほほほほほ」」

 とある女子たちがねちっこく言うのを目撃した。

 俺は何か言おうとして、やめた。

 リスクを負ってまで告白した五十嵐先輩を侮辱することになるからだ。

 だから、俺はその女子二人を止めなかった。

 結局、俺は詩翔雪以外の存在に対しては、興味がないのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る