第27話 4

 上野余里という女子生徒と親しくなり始めた、あいつ。

「伊田、お前、いいやつだな」

 俺とファーストコンタクトを取った上の歯そう言った。

「少なくとも他の男たちよりかはマシだ。うんうん」

 上野は握手するなりブンブンと振り回して、

「これからもよろしく」

 と言った。

 なんだか怪しい女だ、と感じた。

 だが、上野はあいつと親友と呼べるくらいまだ仲が良くなった。見た目の割に誠実で真面目だった。

 ただ、俺と二人になったときには、

「こいつがね〜」

 と値踏みしてくる。やめてもらいたい。

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