第15話 14

「ありがとう、伊田。そして、五十嵐先輩」

「感謝するのなら、伊田に言いなよ」

 私は五十嵐先輩にお礼を言った。だが、五十嵐先輩は伊田に言えという。

「あいつは偶然か必然か、俺を連れて来たんだ」

「伊田が?」

 思わず、伊田を見る。伊田は余里に背中を叩かれていた。

「やるじゃん!」

「いったあー!」


 めっちゃ痛そうにしている。

 伊田を見ていると、

「やっぱり、伊田と付き合っているって本当だったんだな…………」

 と五十嵐先輩は気を落とした。

「えっ?」

 私は付き合っていないと誤解を解こうとしたが、

「君をあんな表情にさせるのは、伊田しかいないもんな」

 五十嵐先輩は、両頬を叩いて、

「よし、やっと諦めきれた。ありがとう。そして、さよならだ」

 五十嵐先輩は清々しい表情で、去っていった。

 そして、月曜日。

 私の周囲に奇妙なことが起きた。

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