第11話 10

 とある日、私はまた告白されていた。

「好きです、付き合ってください」

「ごめんなさい」

 相手は、また野球部のキャプテン、五十嵐先輩だった。

「なんで、また私に告白するんですか?」

「好きだから、だ」

「だから、なんでですか?」

「…………………好きだからだ」

「答えになってもあせんよ」

 五十嵐先輩は、本音をぶちまけた。

「俺は、ボーイッシュガール萌えなんだ」

「ぼーいっしゅ、がーる、もえ?」

「つまり、男の子っぽい見た目の女の子が好きなんだ」

「…………」

 私は初めて顎が外れるという体験をした。

「一目見たときから、俺の中の性癖がビンビンと感知しました。だから、俺と付き合ってくださ〜い」

「絶対にお断りします」

 五十嵐先輩は性癖の暴露と告白失敗をした。

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