第8話 7
今日は、水泳部のマネージャーとしての仕事を頼まれている。といってもタイムを計ったり、スポーツドリンクを用意したりしたくらいだ。
「詩翔雪さん、ありがとうございました。うちの馬鹿どもの士気があがったわ」
同学年の三永遠美羽(みとわみう)さんが話しかけてきた。私はこう言った。
「いいえ、私は何もしてないよ。タイムを計るったり、スポドリの準備はしたけど、後は伊田がやったし」
言葉の通りで伊田がほとんどの水泳部の仕事をやってくれたのだ。伊田は、
「お前はやれることだけやっておけば良いし、むしろ、何もせずにいたほうがいいんじゃねえの?」
と言った。どういうことだろう……?
「もうすぐ部活が終わるから、プールが空くわ。一生に遊ばない?」
「え、いいの?」
「いいの、いいの。これも水泳部の特権のようなもんだし。水着は持ってきている?」
「ええ、服の下に着ているわ。着てこいって伊田が言ったから、何か分からなかったけど、このためね」
そして、数十分後。
「詩翔雪さん、それ〜!!」
「三永遠さんも、えい!!」
私と三永遠さんと他の女子部員で遊び始めた。
「詩翔雪さんの水着姿…………ぐはっ」
『ぐはっ』
次々と男子部員が吐血と鼻血を吹き出して倒れ始めた。
そして、倒れた男子部員をさっさと片付けていく伊田がいた。
「伊田、お前、こんな姿の詩翔雪さんを見れるのか? お前はなんて羨ましんだ!!」
「はいはい、どうもどうも」
倒れた男子部員たちは伊田に恨み言を浴びせていて、当の本人はあっけらかんとしていた。
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