第33話 加護の説明
「あなた方は何か勘違いをしている」
アイニはルードヴィヒに毅然とそう言った。
「勘違いとは?」
ルードヴィヒはそう問い質した。
「先程仰った事から推測すると」
アイニは目だけをロタールに向けて説明した。
「あなた方は、この光を制御する装置なりがあるとお思いのようですね」
アイニは逆にルードヴィヒにそう問うた。
「……そんなものはない、と?」
ルードヴィヒはアイニの質問の意図を察してそう言った。
「そんなわけがない!ならばこの光は一体なんなのだ!」
横からロタールが絶叫した。
「この光こそが四大精霊の加護そのものだろう!違うか!?」
ロタールの絶叫は続く。
「こんな光など自然界にあり得ぬ!何かしらの制御装置がある筈だ!」
ロタールは言葉を止めてアイニを睨んだ。ルードヴィヒもヴィンチもボウも何も言わなかった。ロタールの推測は的を射ているように思えたからである。
「確かにこれは四大精霊の加護ではあります」
アイニは静かにそう言った。
「そして、制御装置というのかはともかく、あれがあなた方が想像するものです」
そう言ってアイニはノームの祠を指さした。
「ですがあなた方にいくつか伺いたいことがあります」
アイニはルードヴィヒに向き合い言葉を投げかけた。
「ひとつ、この力をなんだとお思いなのか」
アイニはルードヴィヒを真っ直ぐ見つめてそう問うた。
「ひとつ、この力をどうするつもりなのか」
アイニはそう言うと皮肉とも苦笑とも言える笑みを浮かべた。
「まさかこの力が戦争に使えるなどとお思いですか?」
そう問われるとルードヴィヒは回答ができない。四大精霊の神秘の力と聞いていただけで、具体的にその力がどういう物だかは誰も知らないのだ。
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