考古学者の驚き

第31話 唐突な取材

「いったい君はどこで魔法を学んだんだ?」

考古学者ケレブは目前の青年──岩漿がんしょうの異術士に訊いた。このような術は見るのも聞くのも初めてだ。どこでこんな術を学んだのか。


「魔法はダブリード魔法学校で習いました」

岩漿の異術士は少し意外そうにそう答えた。


「ダブリード?」

聞いたことのない魔法学校だ。どこかの地方学校だろうか。


「ああ、この術の事ですよね」

岩漿の異術士はようやくケレブの質問の意味を悟ったらしい。


「この術は学んだものではありません」

岩漿の異術士はあっさりとそう述べた。


「学んだものではない?」

ケレブは眉を上げて話の続きを促した。


「聖地ノレスの大消失グランドロストに巻き込まれて、気が付いたら使えるようになってました」

岩漿の異術士はとんでもない事をあっさりと述べた。


「君は大消失の生存者なのか!?」

ケレブの驚きの叫びに岩漿の異術士も驚いてのけぞった。


「我々は正にその大消失の調査をしている者だ!まさか君があれの生存者だなんて!まってくれメモを準備する。ああ、君を雇うという話はもちろんだが、それとは別に取材をさせてほしい。ええっと、ああ、まず君の名前はなんと言ったかな?」


ケレブの勢いに押されながら岩漿の異術士は名前を名乗った。


「トマ・オジエと言います」

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