聖女の生活
第6話 象徴の不遇
ニナ・コイヴの朝は単調で面倒くさい。朝は毎日五時起きで黙禱と入浴を済ませ、朝食は
それが終わると朝の祈祷である。これは彼女だけのものではなく、彼女を首座に据えた聖殿全体の朝の行事である。ここで彼女は祝詞を上げさえすれば後は座っていればいい。御神体に向いているので、正直動きさえしなければ寝ててもいい。
それが終わると
お勉強が終わると昼食である。ここからがやっと
午後になっても大体は何か公務があるが、それでも週に2回は自由時間なのでお忍びで遊びに行く。彼女の隠密行動は徹底している。まず聖殿を出る時は侍女に扮し、その恰好で聖殿近くの役所に入ってそこでさらに私服に着替え、さらにそこから本当の私服やウィッグをもたせた侍女と待ち合わせをして、適当な公衆トイレ等に入ってお目当ての恰好に着替えるのだ。これだけで1時間はかかる。
「うおおおお生き返った!」
毎度の事ながらニナは小さくそう雄叫びを上げた。
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