第2話 ロゴ避難地区
ロゴは思った以上に発展していた。全体的に
「役所の裏手でしたね。その異術士さまがお住まいなのは」
ラザーの声にやや苦笑の気配がある。なにせ自称「
今回に限らずこの調査は数週間の泊まり込みを前提としている。たとえ腕は確かでも
役所左側の大通りを進むと目的地であるらしい家が見えた。いや家というより──
「あれは……教会?」
ラザーはその家を見ての印象を声に出した。
「……では、ないな」
ケレブはよく観察して助手の推測を否定した。
見た目は教会のような作りだが、円字が掲げられておらず聖旗もない。教会を模したというより、教会の廃墟を修繕して住んでいるように思えた。
二人が建物を見ていると中から人間が現れた。いや現れたというより丁度外出だったのだろう。まさか当人とも思えないがケレブは声をかけた。
「失礼、こちらは岩漿の異術士さまのお宅で?」
ケレブはその人物を観察した。若い男で背はさほど高くはない。
「え?はい。どちらさまですか?」
男は驚いた、というより呆気にとられたようにそう応じた。
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