精霊の加護に護られし聖地
@samayouyoroi
考古学者の往訪
第1話 岩漿の異術士
夏の暑さもようやく過ぎ去ったある日、ロゴ避難地区へ続く山道を二人の旅人がそれぞれ馬に跨り進んでいる。一人が独り言のように声を発した。
「なぜあんなところに住んでるんですかねえ?」
助手のジョン・ラザーは呆れたようにそう言った。
「さあな。まあ近いし冷かしがてらでいいだろう」
考古学者ウィルザー・ケレブはやや苦笑気味にそう返した。
──
もちろんケレブはそれまで異術士などという職業など聞いたことはない。それもその筈で、それは単なる自称であるそうだ。
最初その痛々しい名乗りを聞いたときは思わず失笑したが、聞けば大変な魔術を使える事は間違いなく、身体が空いていれば結構気楽に、しかもお安く雇えるとの事で、探索費用の都合からもとりあえずは訪ねてみようという事になったのだ。
そしてその人物は現在ロゴ避難地区に住んでいるという。ケレブにはこれもまた奇妙な巡りあわせに思えた。ロゴはつい五年前まで聖地ノレスの辺境集落でしかなかったが、今は
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