第4話 3 小さな頃
私の小さかった頃。
特別な生活をしていた訳ではない。
同い年くらいの子供たちと遊び、時には小競り合いをしたり、特別に楽しかった思い出はないが、特別に悲しんだりすることもなかった、そんなありきたりの小さい頃だったと思う。
そんなどうでもいいような話を小さなペンギンにしていると、ペンギンはゆっくりと頷きながら、
「それで?」
と聞いてくる。
私は、さらにあの頃を思い出そうとする。
「家族は、どうやったん?」
そう云へば、私の家族は近所でも評判の家族であった。
夫婦喧嘩が絶え間ないくらいに起こる家族であっった。
それも近所の人が分かるくらいの怒声で。
「家族は、好きではありませんでした」
「話してみてくれるか?」
「はい」
私は、幼かった頃の苦しくもあり、悲しくもある、自分にとっては辛かった子供の頃を少しづつ話し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます