第20話 逮捕劇
ひひ。ひひ。ひひひひひひひひ。
ずいぶん手間取らせてくれたなあ。怪獣のあんちゃん。
自分がなにしたかわかっとるんか?
最初から大人しく捕まっとればこの光の手錠かけるだけで済んどったのになあ。
ひさびさの捕り物やからなあ。
ここまで抵抗してくれて嬉しいでホンマ。
あのな。ワイの胸のこの光る玉。見えるな?
ゆうぅっくり点滅しとるやろ。
これな、ワイが活動できる残り時間を示し取るんや。これが点滅始めたら残り一分ゆうことや。そうなったら、ワイ。元の姿に戻らなアカン。
だからな、これが点滅したら、ワイ、本気を出すんや。
今までのように撫でるだけのパンチや押すだけのキックやない。ここからはなワイの本気のパンチやキックや。そうなったらな。相手が血反吐を吐いてもな。もう手加減するわけにはいかん。
でもな。もっと悪いことがあるねん。あのな、残りが三十秒になるとな、この点滅が早くなるんや。おまけに点滅のときに音まで出る。
ぴこーん。ぴこーんでな。
そうなったらもうワイにも止められん。
なにせ相手を逃がしたら始末書やからな。今度始末書書いたら減給や言われとるねん。
そいでな。ほらこうして両手を組み合わせるとな、ここからびゅーっと光のエネルギーでよるんや。
必殺技ってヤツやねん。
でな、それを浴びたらもうこれはアカン。本当にアカン。これ、ものごっつう熱いねん。よほど運が良くても大火傷、当たり所が悪けりゃ死んでしまうねん。
でもな、仕方ない。必殺技が強すぎて自分でも加減つかんのや。
だからな、大人しくお縄につくなら今の内やで。
ほら、今にもこの胸の玉がな。ピコーンからピコピコに変わるで。ほら、ほんとにもうすぐや。
そうなったらお前、終わりやど。泣いて謝っても許したらんぞ。
ほらほら、鳴るぞ。
もう鳴るぞ。
ご免なさいするなら今の内やで。
ほら、来るで。ほら、鳴るで。
ご免なさいするなら今の内やで。
ほら、ピコピコピコピコ・・。
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