第7話 2歳下

はっきり何かを言われたわけじゃない。

考えるって何を?

…颯太のことが頭から離れなくなってしまった。

言ってることぜんっぜんわかんないから!


そう言えば別れ際に「じゃあ、また」って…「また」がある…ってこと?



「優衣ちゃーん?起きてる?」

目の前で莉子が手をぱたぱた振っていた。

「なんかどっかにいっちゃってたよ?」

「ごめん。」

「もしかして、またあの高校生のこと?」

「まぁ…そんなとこ。」

「めずらしいね、優衣が誰かのことで頭がいっぱいなんて。」

「いっぱいって…そう言うんじゃない。」

「そお?」

「だって、相手は高校生だよ?高校3年生。」

「受験生?」

「そう。」

「うわっ。ここの向かいのビル塾じゃん?結構遅くまで勉強してるの見るけど、大変そう。わたしなんか推薦だから受験勉強ほっとんどしてないし、尊敬する。」

「莉子は地頭がいいじゃん。」

「ふふん。じゃあ、そんなわたしの言うことは聞きなよ。その子は、高校生じゃなくて、2歳下の男の子だよ。」

莉子が言った。


何を言うかと思えば…

2歳下の男の子じゃなくて、高校生だって。



「2人とも、そろそろ話すのやめて仕事しろー。6時になるよー。看板出してきて。」

店長に言われ、「営業中」の看板を外へ出しに行った。





その日の夜、高校からの友達、近藤美結からLIMEが来た。


『福山が地元にいる人だけでも集まらないかって』

『どうする?』


『参加しようかな』

『福山くんに連絡してみる』


『安永のことブロックしてるでしょ?』


『うん』


『わたしのとこに連絡来たよ』

『優衣のバイト先教えろって』

『知らないって言っといた』


『ありがとう』


『こっち遊ぶとこなんて少ないから、偶然会わないようにね』


『そうする』



安永圭介…高校の時付き合っていた元カレ。

今更、なんで?

「思ってたのと違う」女と話したって仕方ないでしょ?


LIMEをブロックしてるのは、他にも理由があるからだけど…

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