投稿方法その2連載形式。
まず最初に……ちょうどタイムリーな話題でしたのでちょこっと触れておこうと思います。
10/16の公式のお知らせにて、カクヨムコン9の必勝法なる記事が出て、公開日についてもアドバイスがありました。
選考している編集者は公開日を気にして読んでいる――という内容でした。
一気に人気が出たのか、じわじわ人気が出たのかを確認したいとのこと。売り出し方が変わって来るから、というお話でした。
どちらが良いというわけでもないとも書かれていますので、一見してアドバイスになっているのやらなっていないのやら微妙なお話に見えるのですが。
これは売るときだけの話じゃなく、カクヨムコンでのポイントの伸び方も結構変わって来ます。
先週、作品にあった投稿方法をとるのがいいと書きましたが、傾向として、一点突破型の独自性が強い目立つ作品は一気に行く傾向が強く、総合的な完成度や地力が高い作品はじわじわ行く傾向が強いようです。
自分の作風や得意分野がどちらかで投稿方法を選んでも良いと思います。
では今回は、1話づつ小出しにする連載形式――仮に地上波方式と呼ぶことにします――の場合の説明です。
恐らくこちらの投稿方法のほうが一般的ですし、地上波方式の投稿方法をとっている方のほうが多いかと思います。
そもそも論として、事前に書き溜めをせず、現在進行系で書いては更新を続けながら参加されている方は、書いたものを全て出していても自動的にこちらに近い形になるわけです。
まず、地上波方式の方がリスクが少ないかと思われます。
ネトフリ方式はいわば先手必勝、一撃必殺。初太刀に全てをかける示現流のような戦法ですから、初太刀を外してしまった時には相応に大きなリスクが伴います。
ネトフリ方式は、介入余地が大きい序盤に全力を傾けて、有利なポジションをとりに行く作戦です。
ですが、文字数に頼らずともホットスタートでしっかりと掴みを作り、少ない文字数でも評価をある程度勝ち取れる地力のある作品であるならば、無理などせずともランキングに入ることも可能なわけですから、リスクのある方法を取る必要がありません。
序盤が強い作品になっているか否かの見極めが重要になってくるかと思います。
また折衷案として、比較的面白くなるところまでをどかっと投稿し、その後連載形式で1話づつ更新を続ける、という方法もあります。
冒頭部だけでも十分に★獲得が見込める作品なのであれば、こちらの投稿方法の方が無難であると思われます。
やはり、ネトフリ方式と違って新着に出ること、作品フォローしてくださった方に最新話更新の通知が行くことが大きいです。
露出が増えるということは目に留まる可能性が高まるということです。
それからフォローをしてもらいやすいです。続きが気になるからと言う理由で作品をフォローする方は多いですから。
ネトフリ方式の場合、面白すぎて一気読みしたのでフォローする必要性が無かった――なんて悲しいこともありえます。
そして何より、カクヨムコンの読者選考の重要な要素として、日間ランキング100位に入り続けることが肝心だというものがあります。
トッページ最上部のピックアップに入るためですね。
定期的に更新して新着に乗せることで、継続的に新規の読者との接点が増え続け、持続的な★の獲得がしやすくなり、ランキング入りの長期維持がやりやすくなります。
また、読者さんはどの程度読み進めたら★を入れるかというのにそれぞれの個性がありますから、適度に★の獲得がバラけるというのもあります。
ネトフリ方式の場合。
勿論、スタートダッシュに成功し週間ランキング上位などに入れたならば帳消しになるデメリットではあるのですが、序盤に積極的に評価して下さるアーリーアダプター的な読者を捕まえすぎたことが、逆にマイナスに出てしまう可能性があると言えばあります。
もの凄く乱暴な説明の仕方をしますと。
例えばコア層からの★30個が固い作品だとして、★1つで日間100位、★7個で週間ランキング上位に入れるとします。
その方たちからの★を1日1つづつ獲得したなら30日間、1日2つずつ獲得したら15日間ピックアップされますし、週間ランキング上位にもそれぞれ一ヶ月、3週弱ほど入り続けられる計算になります。
しかし、30個一気に獲得してしまうと1日しかピックアップ枠に入れないし、8日後には週間ランキング上位からも落ちてしまうということです。
どちらにしろその30個はとれるわけですが、宣伝効果で劣る可能性が出てきてしまう、というわけです。
(※もちろんこれは極論に過ぎません。話をわかりやすくしているだけで、週間ランキング上位に入れている時点でこんなことになる可能性は低いです。むしろ警戒すべきは、全身全霊で初太刀を振り抜いたのに空振りしてしまったという流れです。ですのでタイトルやキャッチコピーにインパクトが欲しいです)
重要なのは★が★を呼んでくれるような良い流れを作ることです。
序盤に★獲得の機会を大量消費し過ぎた結果、一時的に★が枯渇してしまい日間ランキング100位から陥落。その後導線を失ったことにより、よりマジョリティな層へのアピール不足になり失速という負けパターンが考えられないことも無い、ということです。
露出が少なくなってしまっているために新規が掴めず、初速だけで失速してしまうパターンですね。
地上波方式はランキングの維持がやりやすいだけではなく、よしんばランキングから落ちてしまった場合も、まだ新着小説や作品フォローして下さった読者への更新通知という導線が残っていますから、なんとか試合続行をして面白いシーンにまで繋げられれば再び盛り返すのも不可能ではありません。
とくにフォロワーさんの中に読み専さんがいて、その方たちが話がある程度進んでから★を入れるという方だった場合、再浮上する可能性は十分にありえます。
どんなものでもジワ売れは、底堅いのです。
ネトフリ方式は一回のチャンスは大きいが、チャンス自体の数は少ないと書きましたが、こちらは逆で、チャンスの回数を増やしている戦略だと言えます。
チャンスを掴むことさえできれば評価される地力のある作品の場合、地上波方式が向いているかも知れません。
逆にインパクトが強い作品。
個性的な作風、独自性の強いアイデア、キャッチコピーやタイトルなどに強力な顧客誘引力があり、チャンスを増やさなくても目にとまる作品なのであれば、ネトフリ方式でスタートダッシュを決めればその後が有利になるでしょう。
デメリットは、やはりある程度(10万文字以上など)の文字数が無いと読まない層がおられること。
完結していないと★をつけないという層が一定数おられること。
どうしても面白いシーンは後半になりがちなことです。
これらは全て序盤で★が獲得しにくい理由になります。
序盤戦で★が貰いづらいということは、ランキングに入るのも難しくなり、ランキングに入れないとその後の展開も不利になります。
介入の余地が多く、勝負をかけやすいのはどちらかというと序盤戦であり、大勢が決まった後はランキング上位に読者が集中してしまうため、そこから逆転するのが難しいということなのですが、逆に言えば、介入の余地などなくとも、実力で評価される作品であるならば何も心配ありません。
また、作品の内容面へのデメリットとして、小出しにして一気に読ませきらないために、全体を通しての面白さはもちろんのこと、1話1話の面白さがより大切になってきます。
そして、★が貰えそうな面白いシーンまで引っ張るために掴みや引きの技術もより強く要求されます。
ネトフリ方式より途中離脱の可能性が高まりますから、面白くなる前に離脱され、★を取り逃がしてしまうと手痛い損失となってしまいます。
地力が必要とはそういうことです。
まとめますと。
最初の方の展開から1話1話がしっかり盛り上げられており、さらに次話へと引っ張れる内容の小説が書けているなら、リスクを犯して最初から飛ばす必要もなくランキング入りすることが出来ます。
その場合は、地上波方式がオススメです。
結果として新着などの導線も一切失わずにすむ。ランキングの維持も容易になる。
全ての導線を駆使してPV数を稼ぎまくり、PVの増加はそのまま★の増加として返ってきます。
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