カクヨムコンの投稿日について。

カクヨムコンの応募条件にとくに難しいものはなく、基本的には2月1日11:59までに10万字オーバーに到達すること。これだけです。

同時に短編部門も開催され、こちらは400字以上1万字以内となっています。


カクヨムコンの読者選考の仕様を踏まえつつ、投稿開始日を考えてみたいと思います。


読者選考の仕様で説明した通り、カクヨムコン開催の前に獲得した★やフォローはカウントされません。

ですので、12月1日以前に投稿してしまうのはあまりおすすめできません。


ただ、始まる直前に公開しておき、評価を高めておいて加速がついた所からスタートさせ、開幕ダッシュを狙う――という戦略を取られる方もいます。

カクヨムコンではスタートダッシュがかなり重要なので、狙いがはまれば絶大な効果があります。


始まる前に頂いた評価はカウントされないという大きなデメリットがありますが、メリットが無いわけではない。


まず、直前に作品を公開するメリットとして、直前のタイミングというのは皆さん当然ながら『カクヨムコン待ち』状態なわけです。

おそらく、1年でもっとも新作が公開されないタイミングではないでしょうか?

故に、かなり長時間にわたり新着にのることができます。


新しい作品を探している読み手さんに対しては、新着に長く残るのでアピールがしやすい状態になっています。

また、カクヨムコンの前に繋がりを増やしておきたいという方たちがいますので、読んでくれる方は通常よりは増えている可能性が高い。


アピールがしやすいということは★が貰いやすく、言い換えれば、注目の作品にのりやすい。

実は、評価されやすい時期ではあります。


ここで評価を高めておけば、カクヨムコンスタート時、★0の作品がずらりと並んでいる時に自分の作品は頭一つ抜けた高評価になっている状態でスタートできます。

つまり、非常に強いアピールになるわけです。

当然、事前に得た評価はカクヨムコンでは計上されませんが、それをアピールのための先行投資だと割り切っている戦略なわけですね。


メリットは大きいのですが、デメリットも相応に大きいです。

何よりも、トータルの数値で合格圏内の評価はえたのに落ちたという場合に、はっきりと戦略ミスを感じてしまうタイプの戦略です。事前の評価分がカウントされていれば……と数値としてはっきりと敗因が分かってしまう。

失敗をした時の責任を負うことは難しいので、他人におすすめするのはとても難しい。

ですが、必ずしも悪手というわけでは無い、ということです。


では次は、本命です。

つまり12月1日以降に投稿する方法です。これは2つのパターンが考えられるかと思います。


1. 12月1日、カクヨムコン開催日に投稿する。

これが一番無難と思われます。

なぜなら、最初の1週間は応募するだけでランダムピックアップされてトッページに乗る可能性があるからです。

これを1日でも見逃すのはとても惜しい。


その上初日は、お祭り開幕の熱にすっかり浮かされ、片っ端から読んでやるぜ! みたいな意気込みで参加してこられる方も多数おられたりします。

初日ということで当然最高に盛り上がりますので、その分相応に読み手が多く、反して応募作品はまだ増えきってはいない。

ということは、実は初日はそれなりに読まれやすいのではないか? と考えられるわけです。


投稿数が少ないということは、ランキング上位に入り込みやすいということでもあります。ランキング上位に入れれば、そこが太い導線となり、さらに★を集められるということでもあります。


2. 激戦区過ぎる数日間は避け、その後に投稿する。

これはまず、導線として新着を重視する場合に有効な手です。初日は凄まじい数の投稿が行われますので新着はまるで機能しません。

導線としての新着をどの程度評価しているかによります。


同様に、フォロワーさんへの新作通知。それなりにフォローしている人が多い方のところには、初日はびっくりするくらいの量の通知が来ます。

いつもなら新作に目を通してくれるという方でも難しいことが多いでしょう。


新着以上に重要なことは、スタートダッシュをしかけているライバルたちの勢いがちょっと落ち着いてきて、少し疲れが見えてきたタイミングで全力でぶつかれること。

勝負の別れ目になるであろう大事なタイミングでのスタミナ切れ――つまり★の息切れを避けたいから、ということですね。


読者選考は、しばらくすると勝ち組と負け組に別れ始め、勝ち組はどんどん評価をえて、負け組の方は伸び悩み始めます。

基本的に、読者選考は足切り方式ですから、勝ち組になる必要はなく、負け組にならなければ通過できます。

語弊を恐れずに言うならば、勝ち組は無視してもいいのです。


何を弱気なことを! と思われる方も多いでしょうが、カクヨムコンでは、読者選考以降は編集部の評価に変わってしまいます。

当然、読者選考時の評価は編集部の方たちも参考の一つにはしているでしょうが、必ずしも、読者選考の勝ち組が受賞しているわけではありません。

ですのでまずは、通過することが大事になってきます。


相手が落ち着いたタイミングでこちらは元気いっぱいなわけですから、一時的に勢いが勝ります。すると、日間ランキングの上位に来やすい。

一度上につけると、相手は勢いが落ち着いているわけですから逆転がしにくいであろうと言うことですね。


これまた乱暴に説明しますと。

★30が固い作品が二つあったとして、片方が★30を使い切った後に参戦すると、後者は一時的に前者の上につけることが出来、両方が★30使い切った後に上にいるのも後者だということです。


カクヨムコンは長丁場の戦いになります。序盤で★を荒稼ぎしすぎてしまうと、貰える★が枯渇して一定期間後に伸び悩むタイミングが来てしまう可能性があります。

そうなると日間ランキングのベスト100から追い出され、トップページにピックアップされなくなってしまう。

負のスパイラルです。そこからの再浮上がとても難しくなって来る。


そう言ったタイミングでも、こちらはまだ余力があり、★が貰える時期を維持できている。まだスタミナが残っています。

スタミナ切れの作品より上位に来れたならば、相手はバテてしまっていますから、最後まで比較的に楽にランキング効果の恩恵を受け続けることが出来、後半戦を優位に戦うことが可能になる、という思考です。


一長一短ありますが。

ボクとしては初日投稿がやはり無難に思えます。いろんな特典を享受できる最序盤戦を失うのは勿体ない。

後者の戦法が上手くハマれば良いのですが、そのために序盤戦の旨味を差し出すのは勿体ない気がします。


後半になればなるほど作品数は増えていきますし、大勢が決まってくるとカク側としても参加していた作者兼読者の数がだんだんと減って行きます。

そして、読み専さんたちは勝ち組に集中してしまいます。


まだ情勢が見えておらず、故に介入がしやすく、人気作家ともガチで戦える大事な序盤を差し出すというのは、結構大きい出費な気がします。


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