夏と秋のはざま、夜の町をみて

足袋抜 オクナ

白露の夜 明滅するは信号機 にこり三日月 我に微笑む

夏が抜けきらない9月のはじめ。

程よく涼しい午前2時。


漠然とした将来への不安を、ベランダからぶん投げたくて。

窓を開けて、網戸も開けて、胸から上を外に突き出し夜を眺める。



大丈夫だよと慰めるように笑いかける夜空の口。

鼓動と重なる信号の明滅。

応援歌のごとく響く虫たちの音。


もう少しだけ、生きてみようかな。

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夏と秋のはざま、夜の町をみて 足袋抜 オクナ @fu-sen

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