第32話 ヤサカノマガタマ
ホシヒトは、天照大御神様から受け継いだ新たな呪文を唱えました。
すると、最初の戦いでマガタマ姫の朝日の勾玉で傷ついた大蛇と、剣の薬草が溶け始めた大蛇、この二つの頭の大蛇が苦しみ始めました。
その呪文は、傷ついたあまたの大蛇に強烈な苦痛を与えることができるものでした。
ホシヒトは、両手を重ね、額には汗をかきながら必死に呪文を唱え続けます。
やがて、二つの頭の大蛇が苦しみながら地面へと倒れていきました。
マガタマ姫は三種の神器の勾玉を太陽の光に当て、あまたの大蛇を狙います。
ハギノツタマルは
「今は朝一番の太陽ではない、 あまたの大蛇には通用しない!」
と不適な笑みを浮かべ言ったのでした。
しかし三種の神器の勾玉が、あまたの大蛇に当たった途端 、頭が破裂したのでした 。
ハギノツタマルは不思議そうに、
「な、 なぜだ!朝一番の太陽の光ではないのに? いや、 それ以上の光の力が加わっている。」
と悔しそうに言い、自分の着けている水晶を手にしたのです。
そしてその八個の水晶に太陽の光を当て、マガタマ姫を攻撃したのでした。
マガタマ姫は必死に逃げますが、水晶の光と素早い攻撃に、傷つくばかりでした。
その時、トキタマ姫が指示を出します。
「 右へ逃げて!前に逃げて! 岩の後ろに隠れて! そして 、勾玉 (やさかのまがたま)で攻撃して!」
ちょうどその時、 スサノオノミコトもあまたの大蛇の一つの頭と戦っていました。
三種の神器の剣(あめのはばきりのつるぎ)を見事に操りながら、あまたの大蛇との激しい戦いに臨んでいたのです。
しかし、あまたの大蛇の頭の良さと素早さは、ただならぬものがありました。
さすがのスサノオノミコトも、やや疲れが見え始めてきた時です。
あまたの大蛇が力強くスサノオノミコトに襲いかかってきました。
皆が危ないと思った瞬間 、トキタマ姫が指示します。
「前に転がって!」すると、 あまたの大蛇は、地面に頭をぶつけたのでした。
そしてトキタマ姫が 、
「今です! あまたの大蛇を退治して!」
と言うと、スサノオノミコトは三種の神器の剣を持ち 、あまたの大蛇を退治します。
そして、地面に倒れ込んでいるあまたの大蛇の頭を次々と切り取ったのでした。
すると、その切り取った頭の一つから、何やら光るものが現れたのです。
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