第31話 ヤタノカガミ

 しかしあまたの大蛇の体は硬く、なかなか短剣が突き刺さりません 。

 トキタマ姫は三種の神器の鏡を操り、カゼマルヒコの短剣に太陽の光を当てました。

 一方、ツチマルヒコも地面を叩き、カゼマルヒコをあまたの大蛇の近くへと導きます。

 そして、ツチマルヒコ自身も土煙に乗り、カゼマルヒコと共に あまたの大蛇を突き刺しました。

 トキタマ姫の鏡の光が短剣に当たり、鋭くあまたの大蛇に突き刺さったのです。

 すると、あまたの大蛇の一つの頭がうなだれ 、地面へと倒れていったのでした。

 フジマルヒコは、手裏剣をあまたの大蛇の瞳に放ちますが、素早く避けられ、なかなか当てることができません。

 トキタマ姫はそれを感じ取り指示します。

「 左上を狙って !」

 フジマルヒコは左上を狙いました。

 手裏剣は見事にあまたの大蛇の瞳に命中します。

 しかし、 多少傷ついただけで倒すことはできませんでした。

 トキタマ姫は鏡を操り、フジマルヒコの手裏剣に太陽の光を 当てることにしました。

 トキタマ姫はフジマルヒコに再び

「右下!」と指示を出しました 。

 そして太陽の光を鏡に当て手裏剣の力を増幅させたのです。

 その結果、手裏剣はあまたの大蛇の瞳に突き刺さり、苦しみ始めました。

 それを待ちかねていたカゼマルヒコとツチマルヒコが、あまたの大蛇の頭に短剣を突き立てます。

 すると、 あまたの大蛇の頭がうなだれ地面へと倒れていったのです。

 サザナミは鋭い貝で作った弓矢を使い、あまたの大蛇に放ちます。

 弓矢の速さにあまたの大蛇も避けきれず、 頭に傷を負いました。

 それに怒ったあまたの大蛇が、サザナミに凄まじく襲いかかります。

 サザナミはいくつもの弓矢を あまたの大蛇に放ちます。

 さすがにあまたの大蛇も、あまりの矢の数に避けることができません 。

 その時、トキタマ姫が貝の矢に鏡をかざし、太陽の光を当てます。

 すると、貝の矢が光に包まれ、 あまたの大蛇に突き刺さりました。

 数多くの貝の矢が あまたの大蛇の一つの頭に突き刺さり 、うなだれ地面へと倒れて行ったのです。

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