第24話 策略

 マガタマ姫は、龍の水晶で作った勾玉に光を当て戦うことにしました。

 一方 、サザナミは、真珠貝の湖で手に入れた貝殻を 鋭い武器にして 戦うことにしました。

 フジマルヒコも、マガタマ姫たちが戦う決意をしている姿を見て、自らも力を振り絞り、あまたの大蛇と戦うことを心に誓いました。

 そして、ホシヒトはスサノオノミコトに 剣に巻く薬草を渡しました。

 その薬草を巻けば 、剣が大蛇の体に当たっても滑らないのです。

 それに、薬草は普通の草と見た目変わらないため 、剣を隠す意味もあります。

 カゼマルヒコとツチマルヒコも同様に 薬草を短刀に巻き、 戦いに備えました。

 まずはホシヒトが、眠りと痺れの薬草を炊き 洞窟から出ると、あまたの大蛇の姿は見当たりません。

 ツチマルヒコがフジマルヒコに尋ねます。

「あまたの大蛇の気配は感じるのか? 音はするのか? 」

 フジマルヒコは答えました。

「気配は感じられません。 頭が良く、気配を消すことができるのです。 しかし、 わずかに あまたの大蛇らしい音が聞こえます。」

「それは、どっちの方角?」

 とサザナミが尋ねると、フジマルヒコは東の方へと少しずつ進み始めました。

 遠くに光るものが見えた瞬間、フジマルヒコは

「あれはハギノツタマルか?」

とつぶやきました。

「しまった!皆さん、後ろに気をつけて!」

そう言うと同時に、あまたの大蛇が後ろから現れたのです。

 フジマルヒコが耳にした音は、大蛇の音に似ていたが、実際にはハギノツタマルがフジマルヒコの鋭い聴覚を利用して作り上げた音で、後ろから襲い掛かる罠だったのです。

 マガタマ姫は勾玉の水晶に光を当て攻撃し、サザナミは鋭い貝で攻撃しました。

 ツチマルヒコも土を叩きつけ攻撃し、 カゼマルヒコはその土煙に乗り 短刀を大蛇に突き刺そうとします。

 しかし、 大蛇の 素早さと体の硬さに対し、 全く歯が立たず、 あまたの大蛇に翻弄されるだけだったのでした。

 マガタマ姫も、必死に あまたの大蛇に攻撃を仕掛けましたが通じることはなく、 ついにあまたの大蛇に捕まってしまったのです 。

 サザナミも同様に、鋭い貝で戦うも虚しく 捕まってしまいました。

 ニ人があまたのオロチに捕まり苦しむ中、なかなか助け出すことができません 。

 そしてあまたの大蛇が スサノオノミコトに襲いかかろうとしました。

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