第23話 絶望と勇気
「この洞窟は安全です。 あまたの大蛇の大きさでは、この穴に入ることはできません。かつて村人が、あまたの大蛇から逃れるために、 この洞窟に逃げ込んで助かったのです。 それに、この洞窟の奥深くには、あの真珠貝の湖に続く道があります。」
そこまでフジマルヒコが語り終えると、
「あのあまたの大蛇との闘いに勝てるかどうかは分からない」と言ったのでした。
すると、 ホシヒトは「天照大御神様がトキタマ姫と話し合い、 私たちがあまたの大蛇退治に使命されたのだから、 うまく闘えば勝てるはずです。 だから私たちは、勝利を信じ闘いましょう! 」
そう言ったのでした。
そして、 まずは、あまたの大蛇を打ち倒すための作戦を練り始めました。
フジマルヒコに、あまたの大蛇の弱点をみんなは尋ねました 。
「あまたの大蛇の瞳はやや弱いものの、 手裏剣を投げても普通に刺さることはありません。 少し目を傷つけるだけです。 ハギノツタマルと一心同体と言っても、ハギノツタマルを倒してもあまたの大蛇は死にません。 ただお互いに信頼し合っているので、 ハギノツタマルの腕に手裏剣が当たった瞬間、 あまたの大蛇に何らかの心の動きがあったのではないでしょうか? そうであれば、 あまたの大蛇の動きも遅くなるでしょう。 それと、 あまたの大蛇の八つの頭はそれぞれに違った力と感情を持ちます。 それが強みでもあり、 また 弱点でもあります。 ハギノツタマルの持つ水晶は強い力があり、人さえも操るという噂があります。 それゆえ、 ハギノツタマルの水晶を奪い取ることも考えるべきです。」
とそこまで フジマルヒコの話を聞いて、みんなはあまたの大蛇の弱点の少なさと、強さに心が折れそうになりました。
しかし、 ホシヒトは言います。
「 みんなは大丈夫 !私の薬草の力はあまたの大蛇に通用します! それに、 皆さんは一人一人違った素晴らしい力を持っているではありませんか ?ハギノツタマルの水晶より力があります。」
とこの言葉に勇気づけられ、ホシヒトが言う通りだ !心であまたの大蛇に負けてはならない、と思ったのでした。
まずは、 洞窟から出る前に、ホシヒトは薬草を使うことにしました。
眠りの薬草と、しびれの薬草を炊くことにより、 あまたの大蛇の動きを少しでも弱めようと考えたからです。
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