第18話 成長の秘密
その時の私たちは、遥か彼方の音を聞き分けることができるなんて想像もしていませんでした。
だから、フジマルヒコが「信じてください、滝まで案内します」と微笑む姿に驚きました。
休憩を挟み、再びフジマルヒコの案内で進むと、徐々に水の流れる音が聞こえてきました。
「滝だ!」とみんなが叫ぶと、カゼマルヒコがつぶやきました。
「やっぱり滝があったんだなぁ」
マガタマ姫はフジマルヒコの優れた耳に感謝し、「素晴らしい耳ですね」と言ったのでした。
滝の水で喉を潤し、その美味しさに驚きました。
サザナミは、「島の水も美味しかったけど、この水は美味しさに加え、元気を与えられる気がする。」と。
スサノオノミコトは「この水が動物を大きくし、草や木々が成長するのも納得が行く」そう言ったのでした。
その後、持ってきた剣を洗おうとした時、マガタマ姫は気づきました。
スサノオノミコトが持つ剣は、「あめのはばきりのつるぎ」ではないことを。
「その剣は私が飾り物を施した剣ではありませんが、どうしてですか?」
マガタマ姫が驚きながら尋ねると、
スサノオノミコトは
「自分の使い慣れた剣が一番身体に馴染んでいるからだ。」そう答えたのでした。
そんなやり取りの中で、マガタマ姫は不安を感じ始めました。
あの恐るべき大蛇を倒すには、この目に見えない力を持つ剣が必要なのではないかと。
その時、滝のそばで休んでいた仲間たちに、フジマルヒコが突然叫びました。
しかし、みんなは滝の音しか聞こえません。
その瞬間、ザァザァと大きな音が轟き、四つの頭を持つ大蛇が姿を現しました。
スサノオノミコトは
「お前があまたの大蛇か?」そう言って剣を手に、大蛇に立ち向かっていきます。
しかし、剣は大蛇の体を滑り抜けるだけで、切ることも出来ません。
そして、他の頭を使いスサノオノミコトに噛みつこうとしました。
その時、カゼマルヒコが素早くスサノオノミコトを助け、ツチマルヒコは滝の水を大蛇に浴びせます。
しかし、大蛇はなおも弱まる気配がありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます