第14話 美しき真珠貝
湖の中に引きずり込まれた2人は、水中で必死にもがきながらも、真珠貝の力に抗うことはできませんでした。
やがて、二人が貝の中に閉じ込められそうになった時です。
サザナミは両手に着けていた貝を使って、貝が口を閉じるのを防ぎます。
そして、マガタマ姫を貝の外に出したのでした。
その瞬間、貝の口が閉じ、サザナミもろとも貝の中に閉じ込められたのです。
マガタマ姫は必死にもがき、湖の上に浮かび上がろうとして気を失ったのでした。
湖畔には、村人に連れられてきたトキタマ姫やホシヒト、カゼマルヒコ、ツチマルヒコがいました。
彼らは湖の中央に浮いているマガタマ姫を発見し、カゼマルヒコが素早く助けに行きます。
岸に引き上げられたマガタマ姫を、ホシヒトは身を寄せて支え、薬草で治療しました。
マガタマ姫の青ざめた顔が次第に赤くなり、目を開けたのでした。
その時、彼女は驚きながらも、サザナミが貝に閉じ込められたことを叫んだのでした。
ホシヒトは早く助けなければ命が危ない!そう言ったと同時にツチマルヒコは湖畔の土を叩きつけました。
すると、湖の水が高く舞い上がり、真珠貝が姿を現しました。
それを見たカゼマルヒコは素早く走り、真珠貝に縄を巻き、みんなで引っ張り上げたのです。
そして、なんとか岸辺まで真珠貝を引き上げることが出来たのでした。
カゼマルヒコとツチマルヒコが真珠貝を開こうと試みるも、貝は一向に開く気配がありません。
そこでホシヒトは、湖畔に生える薬草を探しに行き、持ち帰ったのでした。
その薬草を真珠貝の口に塗ると、不思議なことに貝の口が徐々に開き、中からサザナミの姿が現れ始めたのでした。
サザナミは真珠貝の中で、真珠を抱えながら、ホシヒトやマガタマ姫を見つけると微笑んだのでした。
マガタマ姫はサザナミが生き延びたことに驚き、どうしてそんなことができたのか尋ねました。
サザナミは皆にお礼を言いながら、私は海に囲まれた小さな島で育ち、幼い頃から海に潜り、長時間息をせずに過ごせるようになった、と説明しました。
サザナミの島の人々はほとんどがそのような特技を持っていたのです。
マガタマ姫は、サザナミの無事を喜び、他のみんなも同様に喜びながらも、真珠貝の美しさに見とれていました。
貝の輝きや真珠の大きさは、まさに驚くべきものであり、マガタマ姫も再び貝を見て驚いていました。
そして、その真珠を使って素晴らしい鏡や、剣の飾りを作ることができる安心感と、喜びに感動していたのです。
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