第11話 激動の海とサザナミの力

 琉球王国の女王、イシガキウミカゼノキミの島を後に、最初にたどり着いたシマヤヒコの小さな島へと向かいます。

 そして、船の修理や水と食料の準備に急いでいました。

 マガタマ姫は龍の水晶を触り、あまりの力に体が震え止まりませんでした。

 この水晶の玉を使い、細工ができる喜びに目に涙が浮かぶほどでした。

 そして、準備が終わり、マガタマ姫たちは天照大神様の元へ帰るため、シマヤヒコやサザナミの島の民にお礼を述べに行きました。

 すると、シマヤヒコが「あなたたちは素晴らしい力の持ち主です。できればお願いがあるのですが… サザナミも一緒に連れて行ってもらえないでしょうか?マガタマ姫様たちの力や勇気をもっと学ばせたいのです。お願いします。」と言いました。

 そうすると、マガタマ姫は「サザナミ様が私たちの力になってもらえるのは喜ばしいことです。ぜひ一緒に行きましょう!」

 そうして、サザナミはマガタマ姫たちと天照大神様の元へ行くことになったのでした。

 マガタマ姫とサザナミを加えた一行は、天照大御神様の元へ帰るために、シマヤヒコが与えた船に乗り込みました。

 シマヤヒコの島を出発した一行は、龍との戦いで自分たちが仲間を信じて戦えば、どんな困難も回避できると改めて思ったのでした。

 そして、順調に船は進んでいました。

 しかし、天照大御神様のところへあとわずかで着くという時、ツチマルヒコが何やら叫びました。

 みんながツチマルヒコが見ている海の方を見ると、なんと壁みたいに海が船に押し寄せてくるではありませんか!そうです!津波なのです。

 ホシヒトはみんなに「多分どこかで地震があったに違いない。しかし、このままでは船が沈んでしまう!」と言いました。

 マガタマ姫は最後まで諦めず、「龍に勝った私たちです。船に捕まって落ちないようにして!」と叫びました。

 その時、サザナミが揺れる船の中で両手に貝を持ち、津波に向かって投げました。

 すると、投げた貝と貝の間だけは津波が途切れていたのでした。


 それを見たマガタマ姫は、「今のうちです。あの津波の途切れた間を通り抜けましょう。」と言いました。

 そして津波の間を通り抜けようとしたのです。

 すると、津波の両端に大小たくさんの様々な魚たちが、津波を遮るように泳いでいるではありませんか!

 それを見たマガタマ姫は、サザナミに「どういうことなのですか?」と尋ねました。

 サザナミは、「私たちシリュウとサリュウは島を守るためにいろんな魚たちと戦ったり、助け合ったりして心が通じ合えるようになったのです。そして海は私の命をも守ってくれるようになりました。」と話しました。

 サザナミの魚たちの力により津波の壁を打ち破り、マガタマ姫たちの船は無事に天照大神様の待つ港へと到着しました。

 天照大御神様は無事に帰ってきたマガタマ姫たちを喜んで祝いの宴を設けました。

 そして龍の玉により、鏡と剣の飾り物を完成させるように頼みました。



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